近年、さまざまな媒体を経由して多くの情報を入手することができます。利便性は高い反面、情報リテラシーが不足していると誤った判断をしかねません。情報自体は正しくても、物事の一面しかとらえていなかったり、読み手の状況に適合していなかったりするためです。そこでこのサイトでは、どのようにすれば自分に合った金融商品を選べるかについて紹介しています。
自分に合った金融商品とは?
教育費、住宅取得費、退職後の生活費は人生の三大支出とよばれています。また三大支出ほどではありませんが、保険料、自動車購入費と維持費、通信費も家計に占める割合は大きく、負担を感じている人もいらっしゃるでしょう。
一方、保険や住宅ローンを検討する際、基本的に保険料や金利など費用負担の少ない金融商品を探すと思いますが、商品内容も大切です。ネット上の情報には安さばかりが注目され、商品内容などそのほかの特徴を加味していないものも見受けられます。ほとんどの場合、生活者(消費者)の家計の状況を踏まえてはいません。
では「自分に合った金融商品」とはどのような商品でしょうか。個人的には、次のような要素が必要だと考えています。
<商品選びの五大原則>
(1) 収入や支出、財産の状況に合っていること
(2) 個人の考え方や価値観に沿っていること
(3) 個人の知識や経験から大きく外れていないこと
(4) 価格と商品内容のバランスが良いこと
(5) 客観的な情報に基づいて選ぶ商品であること
これらは金融商品取引法の適合性の法則にも通じます。適合性の原則とは、金融商品取引業者は「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして」業務を行わなければならないという考え方で、違反した金融商品取引業者は行政処分や損害賠償請求されることがあります。
商品選びで迷った際には、五大原則に立ち返って考え直すと良いかもしれません。
自分に合った商品を選ぶために必要なポイント
専門家と一緒に家計の状況と照らし合わせて金融商品を選べることは稀です。では自分に合った商品を自分や家族だけで選ぶためにはどうすればよいでしょうか。自分に合った金融商品を選ぶためには、「客観的な判断材料(情報と知識)」「比較と検討」「選択」が必要です。商品を絞り込む場合は「情報を集め、比較検討し、選択する」という手順を踏みます。特に客観的な情報をもとに判断しなければ、最終的な選択を誤る可能性があります。
判断材料~情報と知識~
商品を選ぶ際には、ネットや無料相談などで情報を入手し、知識を身に付けようとするでしょう。私自身もネット検索で情報収入する機会はよくあります。しかし入手先(情報源)によっては、情報がすでに偏っていたり、客観的な知識ではなかったりすることも考えられます。個人的に信頼している情報源は次のとおりです。
(1) 公的機関のサイト
税制や特例など確認する際には公的機関のサイトを参照し、不明な点は所轄官庁に直接問い合わせます。ただし、個別具体的な相談などはできませんので、質問するにもある程度のコツが必要です。
(2) 金融機関のサイト(深層)
商品概要説明書や約款などを中心に商品の特徴を確認します。販売者や個人が強調する特徴に左右されず、商品の特徴を客観的にとらえることができます。
(3) 専門書などの書籍
情報が正しいかどうかを確認する場合のファクトチェックとして利用することがあります。
上記以外にも活用できる情報はあります。
(4) 金融機関のサイト(表面)
各金融機関など販売者がアピールしている点や商品の特徴を確認できます。ただし、金融機関を比較するとわかりますが、掲載されている「特徴」は、「ほかと比べて優れている点」だけでないことに注意が必要です。
(5) 専門家の記事など
専門家による署名入りの記事は、さまざまな考え方を知る上で重要な情報源です。専門家と言っても多種多様です。また記事だけでなく書籍も確認した方が良いでしょう。
(6) 個人の記事など
個人の経験などに基づく記事も、さまざまな考え方を知ることのできる重要な情報源です。ただし、状況も立場も異なる個人であることがほとんどであるため、「考え方を知る」にとどまります。
(4)~(6)はそのまま判断材料として使わず、知識を深堀するきっかけとして活用できます。
比較と検討
脚色のない情報と客観的な知識があれば、正しく比較と検討ができます。比較検討する際には、正しい商品知識と十分な判断材料が必要です。比較検討するなかで気づくこともありますので、その場合は判断材料を改めて探すことになります。
選択
選択肢を絞る際にも、十分な注意が必要です。これまで得た情報や身につけた知識が正しくなければ、自分に合った商品を排除してしまう可能性があるためです。
納得できる商品の選び方、後悔しない商品の選び方
このサイトでは、「判断材料」「比較と検討」「選択」を中心とした情報発信をしていきます。他人の「意見」に左右される選び方ではなく、客観的な「事実」に基づく選び方を実現できることが目標です。
『人生は選択の連続である(Life is a series of choices.)』-シェイクスピア「ハムレット」より-