FP×統計データ[マネタリーベース/調査統計局]

この記事を読むのにかかる時間:211

『マネタリーベース』の概要

マネタリーベースの意味や発表時期を紹介していきます。

公表日程 毎月(翌月第2営業日発表)
リンク先 マネタリーベース

マネタリーベースとは?

マネタリーベースは「日本銀行が供給する通貨」のことで、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値となる。

なお、1981年3月以前のマネタリーベースの定義とは異なる。
※(1981/3月以前)マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「準備預金額」

マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

マネタリーベースを見てみよう

マネタリーベースは日銀が発行する資金量であることがわかった。それでは、実際にマネタリーベースをどのように見ればいいか、統計データとともに見ていこう。

マネタリーベースはどう見ればいい?

マネタリーベースを増やすことは、日銀当座預金や金融機関にお金が増えることなので、金融機関はより金利の高い融資としてお金を活用でき、経済が活性化される。景気が過熱しているときには、マネタリーベースを減らしインフレを抑制する。
お金の量が増えれば、金利が下がるため、借り入れを増やし投資に回そうとするが、お金の量を減らせば、金利が上がり、投資は控えられる。

このことからマネタリーベースが増加傾向にある時期は景気を刺激させようとし、減少傾向にある時期は景気を抑制させようとしていることが分かる。

マネタリーベースをグラフで確認しよう

マネタリーベース

2013年4月4日に「量的・質的金融緩和」を導入し、金融調整目標を無担保コール翌日物金利からマネタリーベースに変更した。当時の日銀副総裁岩田規久男氏は著者「日銀日記」で、政策委員会金融政策決定会合で予想外にほぼ全員一致で賛成したとある。2013年からマネタリーベースが急激に増えているのは、この政策決定会合による影響である。

この時からインフレターゲット2%という目標を設定するが、物価上昇は円の価値が下落することであるため、為替相場での円安を目指していることにもなる。

岩田規久男氏はいわゆるリフレ派で、異次元の金融緩和で投資を活発化させ、景気を刺激し、デフレ脱却を目指した。しかし、2019年8月現在、インフレターゲット2%は達成できておらず、資金があっても個人・企業ともに貯めこんでいるのが現状である。

マネタリーベースの対名目GDP比

GDP規模が異なる他国のマネタリーベースと比較する場合には、「マネタリーベースの対名目GDP比」が利用される。日本のネタリーベースの対名目GDP比が90%近くであるのに対し、米国の水準は20%、ユーロ19ヵ国が28%となっている。

(参考)
異次元緩和の問題点

マネタリーベースとマネーストックの違い

マネタリーベース統計は中央銀行が供給する通貨で、日銀当座預金や金融部門の保有現金(銀行券と貨幣)が含まれるが、マネーストック統計は金融部門全体から経済に対して供給される貨幣のことで、日銀当座預金や金融部門の保有現金(銀行券と貨幣)は含まれない。日銀当座預金や金融部門の保有現金(銀行券と貨幣)は金融部門が保有しており、経済に供給されていないためである。

関連用語

・テーパリングTapering:量的緩和の縮小
・イールドカーブ・コントロール:長短金利操作のことで、2016年9月の日銀院有政策決定会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」として導入された。短期金利のマイナス金利政策と10年物国債金利がほぼゼロ%になるような買い入れで、短期から長期までの金利をコントロール。
・オーバーシュート型コミットメント:インフレターゲットである2%を超えたとしても安定的に超えるまでは金融緩和を行うことをコミットメント(約束)したもの

(参考)
マネタリーベース
ゼロからわかる『金融政策:日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」』
量的質的緩和でインフレにならない訳
財政状況と長期金利
最近の金融経済情勢と金融政策運営
平成30年度 年次経済財政報告

日本銀行の歴代総裁

この記事を読むのにかかる時間:037

日本銀行の歴代総裁

氏名 就任 退任
31 黒田東彦(くろだはるひこ) 平成25年 3月20日
30 白川方明(しらかわまさあき) 平成20年 4月 9日 平成25年 3月19日
29 福井俊彦(ふくいとしひこ) 平成15年 3月20日 平成20年 3月19日
28 速水優(はやみまさる) 平成10年 3月20日 平成15年 3月19日
27 松下康雄(まつしたやすお) 平成 6年12月17日 平成10年 3月20日
26 三重野康(みえのやすし) 平成 1年12月17日 平成 6年12月16日
25 澄田智(すみたさとし) 昭和59年12月17日 平成 1年12月16日
24 前川春雄(まえかわはるお) 昭和54年12月17日 昭和59年12月16日
23 森永貞一郎(もりながていいちろう) 昭和49年12月17日 昭和54年12月16日
22 佐々木直(ささきただし) 昭和44年12月17日 昭和49年12月16日
21 宇佐美洵(うさみまこと) 昭和39年12月17日 昭和44年12月16日

(出典)日本銀行 歴代総裁

日本の歴代内閣総理大臣

この記事を読むのにかかる時間:112

日本の歴代内閣総理大臣

97 第3次
安倍晋三
平成26.12.24
-平成29.11.1
96 第2次
安倍晋三
平成24.12.26
-平成26.12.24
95 野田佳彦 平成23.9.2
-平成24.12.26
94 菅直人 平成22.6.8
-平成23.9.2
93 鳩山由紀夫 平成21.9.16
-平成22.6.8
92 麻生太郎 平成20.9.24
-平成21.9.16
91 福田康夫 平成19.9.26
-平成20.9.24
90 第1次
安倍晋三
平成18.9.26
-平成19.9.26
消費税率8%に
89 第3次
小泉純一郎
平成17.9.21
-平成18.9.26
88 第2次
小泉純一郎
平成15.11.19
-平成17.9.21
87 第1次
小泉純一郎
平成13.4.26
-平成15.11.19
86 第2次
森 喜朗
平成12.07.04
-平成13.4.26
85 第1次
森 喜朗
平成12.04.05
-平成12.07.04
84 小渕恵三 平成10.7.30
-平成12.04.05
83 第2次
橋本龍太郎
平成8.11.7
-平成10.7.30
消費税率5%に
82 第1次
橋本龍太郎
平成8.1.11
-平成8.11.7
81 村山富市 平成6.6.30
-平成8.1.11
80 羽田 孜 平成6.4.28
-平成6.6.30
79 細川護煕 平成5.8.9
-平成6.4.28
78 宮澤喜一 平成3.11.5
-平成5.8.9
77 第2次
海部俊樹
平成元.8.10
-平成2.2.28
76 第1次
海部俊樹
平成元.8.10
-平成2.2.28
75 宇野宗佑 平成元.6.3
-平成元.8.10
74 竹下 登 昭和62.11.6
-平成元.6.3
消費税率3%導入
73 第3次
中曽根康弘
昭和61.7.22
-昭和62.11.6
72 第2次
中曽根康弘
昭和58.12.27
-昭和61.7.22
71 第1次
中曽根康弘
昭和57.11.27
-昭和58.12.27

(出典)首相官邸

物価連動国債とBEI

この記事を読むのにかかる時間:056

物価連動国債とは

物価連動国債は、元本が物価に連動して増減する国債で、普通国債は元本は固定されているため物価が上昇すると目減りするが、物価連動国債にはこのデメリットがない。物価が下落すれば想定した利息を受け取れないが、平成25年度以降に発行されている物価連動国債では、元本保証(フロア)があり。償還時の連動係数が1を下回る場合には、額面金額で償還される。なお、利息にはフロアの効果はない。また、連動する物価は生鮮食品を除く全国消費者物価指数(コアCPI)である。

(参考)財務省:物価連動国債の商品設計

ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)

ブレーク・イーブン・インフレ率は予想インフレ率(期待インフレ率)のこと。物価連動国債の利回り(実質金利)と10年利付国債利回り(名目金利)の差が期待インフレ率とほぼ同じと考えられる。
・期待インフレ率≒名目金利-実質金利
「名目金利=実質金利+期待インフレ率+リスク・プレミアム」とリスク・プレミアムを加えることもある。
(参考)財務省:BEI推移

物価連動国債の注意点

額面で100万円分を購入しようとしても、実際の投資額は発行価格で購入することになる。発行価格は10年間の物価上昇率を盛り込むため、たとえば発行価格ベースで105万円であれば、保有時の利息を、物価が上昇しなければ5万円以上受け取らなければ損となる(税金を考慮すると損益分岐点は上がる)。元本保証(フロア)は額面額なので、注意が必要である。
また、物価上昇はせず金利だけが上昇する場合、元本が増えず(減り)、債券価格が下がることがある。

他サイトの解説

SMBC日興証券
PIMCO
野村証券
大和証券:物価連動国債ファンド
みずほ総合研究所
日経新聞

FP×統計データ[GDP統計/内閣府]

この記事を読むのにかかる時間:347

『国民経済計算(GDP統計)』

『国民経済計算(GDP統計)』概要

国民経済計算は、経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録することを目的に、国連の定める国際基準(SNA)に準拠しつつ、統計法 に基づく基幹統計として、国民経済計算の作成基準及び作成方法に基づき作成される。
国民経済計算は「四半期別GDP速報」と「国民経済計算年次推計」の2つからなっている。「四半期別GDP速報」は速報性を重視し、GDPをはじめとする支出側系列等を、年に8回四半期別に作成・公表している。「国民経済計算年次推計」は、生産・分配・支出・資本蓄積といったフロー面や、資産・負債といったストック面も含めて、年に1回作成・公表している。

目的

四半期別GDP速報(QE:Quarterly Estimates)は、一国全体のマクロ経済の状況を明らかにする国民経済計算のうち、支出系列及び雇用者報酬について毎四半期毎に公表することで、カレントな景気判断を行うための基礎資料となることを目的としている。1次速報は当該四半期終了後から1ヶ月と2週間程度後、2次速報は、1次速報以降新たに利用可能となった基礎資料を用いて、さらに約1ヶ月後に公表される。

GDP=民間消費+民間投資+政府支出+輸出-輸入

民間消費=民間最終消費支出
民間投資=民間住宅+民間企業設備+民間在庫品増加
政府支出=政府最終消費支出+公的固定資本形成+公的在庫品増加
輸出=財貨・サービスの輸出
輸入=財貨・サービスの輸入

長期推移データ

1955年(昭和30年)からの計数を掲載しているが、現在までの同一基準による一貫したデータは遡及改定していない。長期のデータを参照する場合は、各基準年の計数を繋げることになるが、体系基準年が異なるため直接接続しない。

公表日程(四半期別GDP速報) 1-3月期:5月・6月
4-6月期:8月・9月
7-9月期:11月・12月
10-12月期:翌年2月・3月
公表日程(国民経済計算年次推計) フロー編・ストック編:12月中旬
分類 基幹統計調査
リンク先 GDP統計

GDP推移

名目GDPと実質GDP

名目GDPと実質GDPの違いを確認しておこう。
(具体例)
1年目 年間生産量と価格
:コーヒー10杯/1杯100円/売上1000円

(例1)1年目は10杯100円で売れていたが、売れないため、1杯80円にした。

2年目 年間生産量と価格
:コーヒー10杯/1杯80円/売上800円
□名目GDP成長率 ▲20%
 100円×10杯 → 80円×10杯
□実質GDP成長率 0%
 100円×10杯 → 100円×10杯
■名目GDP成長率が実質GDP成長率を下回る。
※名目GDPでは価格を80円として計算しており物価変動を考慮しているが、実質GDPでは100円のままである。
※販売不振で「100円×8杯」としても、100円で売れないため、例のように、「80円×10杯」となる。不景気で、10杯売れないときは、生産ラインを減らしたり、支店を減らしたりして「80円×8杯」にするだろう。この場合の名目GDP成長率▲36%、実質GDP成長率▲20%となり、名目GDP成長率が実質GDP成長率を下回っている点は変わらず、両成長率の下げ幅が大きくなる。

(例2)1年目の100円ではすぐに売れ切れてしまう(値上げしても売れる)ので、1杯120円にした。

(例2)
2年目 年間生産量と価格
:コーヒー10杯/1杯120円/売上1200円
□名目GDP成長率 20%
 100円×10杯 → 120円×10杯
□実質GDP成長率 0%
 100円×10杯 → 100円×10杯
■名目GDP成長率が実質GDP成長率を上回る。
※名目GDPでは価格を120円として計算しており物価変動を考慮しているが、実質GDPでは100円のままである。

・物価が上昇しているときは、名目GDP成長率が実質GDP成長率を上回る。逆に、物価が下落しているときは、名目GDP成長率が実質GDP成長率を下回る。
・(例2)を見て分かるように、実質GDP成長率を上昇させるためには生産量が増加する必要があるが、価格が上がらないと所得に反映しないので、名目GDP成長率の上昇と伴った実質GDP成長率でなければならない。

潜在的GDP

資本や労働などの生産要素が最大限に活用された場合や過去の平均的な水準まで活用された場合に実現できる総産出量(総供給量)のこと。
デフレギャップは、「潜在的GDP(総供給量) – 名目GDP(総需要)」で求める。
ただ、潜在的GDPをどちらの意味で使っているかを理解する必要がある。内閣府や日銀の潜在的GDPの定義は過去平均の実質GDPとしている。

・実質GDPを潜在的GDPの軌道上に乗せることは、生産力をフル回転させることであるため、「二十四時間働けますか」状態であり、不可能であるという意見もある。
・アベノミクス三本の矢の一つ「民間投資を喚起する成長戦略」では、潜在的GDPを一段階引上げ、実質GDPを現在の潜在的GDPの軌道に乗せようとした。

GDPデフレーター

GDPデフレーターは、実質GDPを算出する際に物価変動の影響を取り除くために使われる。

実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター
GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP

GDPデフレーターは名目GDPを実質GDPで割っていることから、名目GDP成長率が実質GDP成長率を下回るとGDPデフレーターの増加率はマイナスとなりデフレ、名目GDP成長率が実質GDP成長率を上回るとGDPデフレーターの増加率はプラスとなりインフレと考えられる(前述の名目GDPと実質GDPの具体例を見ながら考えると分かりやすい)。

また、GDPデフレーターは、消費者物価指数や企業物価指数のように、値の増減で判断するが、両指標とは異なり、輸入品価格は含まれていない(国内製品のみである)。

・デフレ傾向時は不景気であることは多いが、デフレと不景気は同義語ではなく、デフレ下でも景気が上昇していることがある。

(参考)
「潜在GDP」を「平均GDP」へ改称すべし
需給ギャップと潜在成長率の見直しについて
平均概念で潜在GDPは測れない
平成19年度年次経済財政報告
生産関数と潜在GDP
GDPギャップと潜在成長率
GDPギャップ/潜在GDPの改定について
名目GDP vs.実質GDP
よくわかる経済指標「GDPデフレーター」
GDPとは
GDPデフレーター(支出側と生産側)の不突合と推計方法の見直しに向けて
GDPデフレーターが低下するインフレ
メールマガジン(経済用語解説)
GDP統計の改定結果から探る日本経済の実態
景気判断とGDP統計
四半期別GDP速報について ~その位置付け、特徴、最近の取組~
平成 27 年度国民経済計算年次推計の概要について
参考資料集

【更新情報】主な金融機関の住宅ローン

この記事を読むのにかかる時間:111

主な住宅ローンの特徴

都市銀行
みずほ銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.625%~0.875%
固定10年 0.750%~1.000%
全固定35年 1.300%
三菱UFJ銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.525%~
固定10年 0.690%~
全固定35年 1.560%
三菱UFJ銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.525%~0.725%
固定10年 1.35%~1.55%
全固定35年 1.69%
りそな銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.470%
固定10年 0.650%
全固定35年 1.350%
三菱UFJ信託銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.525%~
固定10年 0.690%
全固定35年
三井住友信託銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.475%~
固定10年 0.650%
全固定30年 1.15%~1.45%
三井住友信託銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.475%~
固定10年 0.650%
全固定30年 1.15%~1.45%
ネット銀行等
イオン銀行 基準日 毎月10日
変動金利 0.520%~0.820%
固定10年 0.740%
全固定30年
じぶん銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.457%
固定10年 0.590%
全固定30年
新生銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.600%
固定10年 1.000%
全固定30年 1.850%
住信SBIネット銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.457%
固定10年 2.410%
全固定30年 3.750%
ソニー銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.457%
固定10年 0.590%
全固定30年 1.392%~1.542%
楽天銀行 基準日 毎月1日
変動金利 0.527%~1.177%
固定10年 1.020%~1.670%
全固定30年

フラット35をダブルで利用!ダブルフラットの特徴とメリット・デメリット

この記事を読むのにかかる時間:221

フラット35には、ダブルフラットと呼ばれる商品があります。「ダブル」というぐらいですから、フラット35を2本利用した住宅ローンですが、あまり聞いたことがないかもしれません。

一般的にフラット35の金利は民間の長期固定金利より低く設定されており、フラット35の利用をお考えの人にとっては選択肢の一つになるでしょう。

そこで今回は、ダブルフラットの特徴、メリット・デメリットを紹介していきます。

ダブルフラットの特徴

ダブルフラットは借入期間の異なるフラット35を2つ組み合わせ、短い方のフラットが終了後に毎月の返済額が減り、返済負担を軽減させることができます。ダブルフラットの組み合わせは次の3パターンです。
・フラット20+フラット35
・フラット35+フラット35
・フラット20+フラット20
フラット20は借入期間が20年以下のフラットを指し、金利は借入期間21年以上のフラット35より低くなっています。

 

ダブルフラットのメリット

たとえば「フラット20+フラット35」で組み合わせた場合、当初20年が終了すれば毎月の返済額は減少します。どうしても退職後も返済し続けなければならない場合でも、フラット35の15年分だけの返済となりますので、返済負担は軽減されます。20年後を退職時に合わせるなど計画的な返済をすることができます。

また借入金の一部を金利の低いフラット20を利用しますので、すべてフラット35で借り入れるより、利息の負担を軽減することができます。

 

ダブルフラットのデメリット

同じく「フラット20+フラット35」で組み合わせた場合を考えますと、当初の20年間の返済額が増える可能性が高く、返済できるかどうかが問題となります。本来なら全額35年間で支払うところ、一部とはいえ返済期間を20年間に短縮していますので、誰でも利用できる方法ではありません。加えて、借入期間の下限が15年となっていますので、15年以内で組むことはできません。

またダブルフラットは2本の契約を結ぶため、金銭消費貸借契約や抵当権設定などの手続きが必要となり、融資手数料や印紙税、司法書士への報酬、登録免許税がそれぞれにかかります。加えて、ダブルフラットを利用できる金融機関が限られており、選択肢が少ないこともデメリットとして挙げられます。

ダブルフラットの概要

ダブルフラットの条件や借入可能額など商品概要を紹介します。

申込先 2本とも同一金融機関
申込時年齢 ・申込時の年齢が満70歳未満
 親子リレー返済をご利用の場合は、満70歳以上も申込み可
総返済負担率 ・年収400万円未満30%以下
・年収400万円以上35%以下
資金使途 ・申込み本人または親族のための新築住宅の建設・購入資金または中古住宅の購入資金※借換えも対象
床面積 ・一戸建て70㎡以上
・マンション30㎡以上
借入額 借入合計200万円以上8000万円以下
かつ、建設費・購入価額以内
借入期間 15年以上
借入金利 借入期間(20年以下・21年以上)、融資率(9割以下・9割超)、加入する団体信用生命保険の種類などによって、借入金利が異なる。
※借換えの場合は、実際の融資率にかかわらず融資率9割以下の金利が適用される。
返済方法 元利均等毎月払いまたは元金均等毎月払い
保証人 不要
 

ダブルフラット取り扱い金融機関

ダブルフラットを取り扱っている金融機関は、都市銀行ではりそな銀行、埼玉りそな銀行のみで、ほとんどが地銀、信用金庫、信用組合、労働金庫です。日本住宅ローン株式会社や株式会社ハウス・デポ・パートナーズなどでも取り扱っています。都市銀行の大部分やネット銀行等では取り扱っていませんので、ご注意ください。

まとめ

ダブルフラットは、民間で住宅ローンを2本組むのと同じ仕組みです。当初の返済が問題ないか確認し、2本契約することによる諸費用を検討しなければなりません。ダブルフラットのデメリットよりメリットが気になる人は検討してみてもいいのではないでしょうか。

【更新情報】収入合算・ペアローンの取り扱い

この記事を読むのにかかる時間:039
都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 家族ペア返済方式(ペアローン)・収入合算
※収入合算はネット住宅ローンの対象外
※同性パートナー可
 三菱UFJ銀行 ペアローン・収入合算
※Quick審査は利用できない
 三井住友銀行 収入合算(連帯債務)
※クロスサポートで夫婦のどちらが亡くなっても残高0円に
 りそな銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 三菱UFJ信託銀行 ※要調査
 三井住友信託銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 じぶん銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 新生銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 住信SBIネット銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン(連帯保証)
 ソニー銀行 ペアローン(連帯保証)
※同性パートナーも可
 楽天銀行 収入合算(連帯債務)
フラット35
 金融機関  項目
 フラット35(共通) 収入合算(連帯債務)

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。

住宅ローンにおける連帯債務者と連帯保証人とは?それぞれの特徴と違い

この記事を読むのにかかる時間:212

住宅ローンを一人で利用する場合には権利関係は単純ですが、夫婦で住宅ローンを利用する場合、連帯債務者や連帯保証人など専門的な法律用語が出てきます。

契約時に説明を受けると思いますが、何となく「とにかく返済すればよい」と思い、あまり深く理解しようとしないかもしれません。確かに順調に返済していれば問題ありませんが、返済計画に影響が出ると連帯債務者か連帯保証人かの立場が重要になってきます。

そこで今回は、将来の不安を少しでも解消するためにも連帯債務者や連帯保証人について理解を深めておきましょう。

住宅ローンの連帯債務者の特徴

連帯債務は民法第432条に規定されています。
「数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」

たとえば夫Aと妻Bでそれぞれ互いに連帯債務者になっているとします。
夫婦ともに住宅ローンの債務者となり、3000万円を均等に返済する場合は、それぞれ1500万円の借金を負い、また住宅ローン控除はそれぞれ1500万円が対象となります。

ただ連帯債務は民法上、金融機関は3000万円をそれぞれに全額請求することができます。片方だけに3000万円全額を請求することもできます。実質的には夫婦それぞれ3000万円の債務を負っていることになります。

なお連帯債務の場合、住宅ローンは1本となりますので、住宅ローン控除は負担割合に合わせて適用できるものの団体信用生命保険への加入は1名とみとなります。

住宅ローンの連帯保証人の特徴

保証は民法第446条、連帯保証は民法454条に規定されています。
「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」
「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない」

連帯保証人は、主な債務者が返済しない場合に返済する義務が生じます。この時、連帯保証人は主な債務者に請求するよう要求できず、返済しなければなりません。たとえば夫が3000万円を借り入れ、妻が連帯保証人になった場合、夫の返済が滞ると、妻に支払いの請求が行くことになります。

連帯保証人は「返済できない場合に」返済の義務が生じますが、連帯債務者と同様、3000万円の返済義務が生じるため、基本的な責任は同じとなります。

住宅ローンのペアローンの特徴

では、住宅ローンのペアローンはどのような特徴があるのでしょうか。連帯債務者と連帯保証人は借入金3000万円を支払う責任がありました。ペアローンの場合は、連帯債務者とは違い、完全に別々の住宅ローンを組みます。

たとえば夫が1500万円、妻が1500万円のローンを組むと連帯債務者と同様、それぞれ住宅ローン控除の適用を受けることができます。ただ契約を2本組みますので、契約にかかる手数料はそれぞれかかります。

連帯債務者・連帯保証人・ペアローンのまとめ

連帯債務者、連帯保証人、ペアローンについて解説してきましたが、それぞれ住宅ローンにかかる影響についてまとめると次のようになります。

連帯債務 連帯保証 ペアローン
 住宅ローン控除  2名  1名  2名
 団信加入  1名  1名  2名
 手数料  1名  1名  2名
 持分  2名  1名  2名

各金融機関の取り扱い

この記事を読むのにかかる時間:039
都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 家族ペア返済方式(ペアローン)・収入合算
※収入合算はネット住宅ローンの対象外
※同性パートナー可
 三菱UFJ銀行 ペアローン・収入合算
※Quick審査は利用できない
 三井住友銀行 収入合算(連帯債務)
※クロスサポートで夫婦のどちらが亡くなっても残高0円に
 りそな銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 三菱UFJ信託銀行 ※要調査
 三井住友信託銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 じぶん銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 新生銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 住信SBIネット銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン(連帯保証)
 ソニー銀行 ペアローン(連帯保証)
※同性パートナーも可
 楽天銀行 収入合算(連帯債務)
フラット35
 金融機関  項目
 フラット35(共通) 収入合算(連帯債務)

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。


まとめ

住宅ローンを夫婦で利用するときには少し複雑になりますが、理解しておけばその分、不安要素を減らすことができます。最近は夫婦共働き世帯が多く、実際の相談でも1名で組んだ場合、2名で組んだ場合の違いをシミュレーションすることがあります。気になる場合は具体的にシミュレーションをして比較検討してください。

住宅ローンの基準金利と優遇金利何が違うの?

この記事を読むのにかかる時間:143

住宅ローンの借入先を検討する際、金利は非常に大切な比較ポイントとなります。しかし金融機関のサイトを見ると、「金利」や「優遇金利」と書かれており、詳細ページには基準金利や適用金利などの言葉も見られます。

住宅ローンにおける金利は、一律に決まっているのではなく、固定金利や変動金利など金利タイプによって異なるだけでなく、審査によっても変わってくる金融機関もあります。

そこで今回は、住宅ローンの金利はどのような意味があるのか解説していきます。

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利がある

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利があります。基準金利は店頭金利と呼ばれることもあります。基準金利(店頭金利)は金融機関が毎月決定する基準となる金利です。たとえば住宅ローン変動金利型の基準金利は2.475%としている金融機関が多く、近年、変動しておりません。

住宅ローン変動金利型に基準金利をそのまま適用すると2.475%ですが、ここから相談や審査を通して、金利を引き下げ、実際に適用される金利が優遇金利となります。優遇金利が適用金利となることがほとんどです。

住宅ローンの優遇金利の取り扱い

住宅ローンの金利を確認する際、条件によって金利が異なるため、適用金利がどれになるか分からないことがあります。

都市銀行などでは、審査によって金利引き下げ幅が異なり、審査結果を確認しないと適用金利は分かりません。一方、ネット銀行などに多いのは、金利引き下げ幅が決まっており、優遇金利で借りられるかどうかの審査を行うケースです。

審査の結果で金利引き下げ幅が決まる金融機関は、公式サイトの金利ページに「引き下げ幅の範囲」が▲1.700%~▲1.200%などと書かれていますので、すぐわかるでしょう。

住宅ローンの優遇金利の適用期間を確認する

住宅ローンの基準金利と優遇金利について解説しましたが、適用される金利はほとんどの場合で優遇金利ですので、注目すべきは優遇金利となります。

しかし優遇金利が適用される期間が商品によって異なりますので、事前に確認が必要です。適用される期間は主に次のとおりです。
・通期(全期間)
・当初(固定金利特約期間中)

「通期」は借入期間中ずっと同じ金利引き下げ幅となりますので、あまり気にすることはありませんが、「当初」のみ優遇される場合には注意が必要です。

たとえば固定10年の場合、当初10年間だけ適用される引き下げ幅と10年経過後に適用される引き下げ幅があり、一般的に引き下げ幅は少なくなります。固定金利期間終了後のシミュレーションをしっかりしておけば借入前に返済額は分かります。必ずシミュレーションしてから判断しましょう。

まとめ

住宅ローンの金利といっても、基準金利や店頭金利、優遇金利、適用金利と様々な金利があることを紹介しました。基本的には店頭金利=基準金利、優遇金利=適用金利ととらえておき、あとは借り入れる予定の金融機関で金利について確認すればいいでしょう。