【元保険募集人の本音】保険営業の真意を見抜き、自分に合った保険を探せ!

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「私も入ってます」に注意せよ!

保険募集人が特定の加入を促す方法で、「いい商品なので私も入ってます」と言われたことはないでしょうか。一般的に、保険料に応じて保険募集人が受け取る手数料が決まりますので、保険料の高い商品でこの発言が出たときは注意が必要です。「募集人が加入している=いい商品」とは限りません。保険営業で利用するためだけに加入している募集人もいるぐらいですので、効果的な営業トークなのでしょう。

結果的に特定の商品のみ選ばれることはある

基本的には加入予定者の考え方や価値観によって選ぶ保険商品は異なります。しかし商品によっては、ほとんどの人がもっとも良さそうに感じる場合があります。他の商品と比較しても魅力的な商品であれば、募集人自ら加入していなくても、加入予定者は加入したいと思うでしょう。

ちなみに、保険商品に順位付けがあるとすると、半年もすれば順位は変わります。売れている商品に似たような商品が販売されたり、新たなニーズに応えた商品が開発されたりと、市場の変化が激しいためです。

「私も入ってます」は営業の常套手段

「私も入ってます」と言われたら、説得力があるどころか、そこまでしないと説得力を得られないのか、と考えてしまいます。この言葉を聞いたら、きっぱり断ってしまいましょう。

判断材料を出さない募集人は信じない方がいい

保険業法の改正で、加入予定者が希望する判断材料を準備することを求められています。一見良さそうですが、そのそも情報の非対称性(販売者側が圧倒的に情報量が多いこと)があるため、どのような情報が役に立つかパッと思いつかないでしょう。その場で初めて見る商品を紹介されたらなおさらです。どのような情報が役に立つかわかりませんので、「判断材料を出す出さない」をその場で見極めるのは不可能です。そのため、家に持ち帰り、どのような情報があれば勧められた商品に納得して加入するか考え、その情報を求めましょう。

外貨建て商品は特に注意!

外貨建て商品は円建て商品に比べ、積立利率が高く、貯蓄性のある商品では魅力があります。しかし外貨建て商品は為替変動リスクがあります。加入時より円高になれば解約しても増えるどころか減ることもあります。ここまではいいのですが、外貨建て商品を紹介するときに、少なくとも為替相場推移(10年、30年)を提示していなければ情報を隠している可能性があります。円高の時には為替相場を見せて、円安の時には隠す、これでは正しい判断はできません。契約時には「為替変動リスクの説明を受けた」など書面で確認し、その書面は残りますので、あとで「加入するつもりはなかったのに」「損するなら円建てにすればよかった」と思ってもあとの祭りです。「情報を出さない」ことで加入を促す募集人からは加入しないようにしましょう。

「もっと良い商品があります」には注意

仮にネットで一番コスパの良い保険商品を探し、その保険の商品の相談に行ったとします。説明が一通り終わったあと、「実はこういう商品もあります」と最初の商品よりいい商品が出てくることがあるでしょう。この場合には注意が必要です。

商品が変わると基本的には比較をし直さなければなりません。今まで知らなかった商品の種類を紹介してもらったため、あらためて他の保険会社の商品と比較し直すと、実はもっといい商品がある可能性があります。商品が変わったら仕切り直しをしましょう。

年齢階級別の医療費と入院日数

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年齢階級別の医療費と入院日数

保険会社のパンフレットに記載されているデータだけではなく、様々なデータをもとに医療費と医療保険について考えていきます。厚生労働省では「医療給付実態調査」を行っており、傷病別に入院日数や医療費を算出することができます。

平均入院日数

調査結果には、件数、日数の総数が記載されていますので、「日数/件数」で平均入院日数を算出しました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
※クリックすると拡大します。

グラフが重なっていて分かりにくいですが、ここで知りたいのは年齢階級によって平均入院日数が変化するかどうかですので、変化がほとんどない傷病を除いてグラフにしました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
※クリックすると拡大します。

総合失調症や脳血管疾患は明らかに高齢者ほど平均入院日数は長くなっており、他の傷病と比較しても平均入院日数は長めです。また悪性新生物は若年層の方が平均入院日数は長くなっており、40歳以上で12日程度に落ち着いています。悪性新生物を除いて、全体的に高齢者ほど平均入院日数は長くなると考えてもいいでしょう。

最後にもとになった数値を紹介しておきます。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
※クリックすると拡大します。

医療費

次に医療費です。調査結果には、件数と点数(1点10円)が記載されています。また今回は3割負担のみをグラフ化していますので、「点数×10/件数×0.3」で平均医療費を算出しました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
※クリックすると拡大します。

若年者の悪性新生物の場合、医療費は目立って高くなっています。またおおむね、どの年齢階級でも、悪性新生物、脳血管疾患、虚血性心疾患のいわゆる三大疾病の医療費が高くなっています。

最後にもとになった数値を紹介しておきます。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
※クリックすると拡大します。

実際にかかる医療費

これまで紹介してきた医療費は3割負担部分のみで、実際には高額療養費制度を利用することで負担は下がります。ただこれらの金額は1件に対する金額ですので、再入院した場合には医療費がかさむことになります。

がんに関する統計を眺める

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がんデータからガン保険の必要性を考える

がんは昔に比べれば、早期発見で治る病気を言われつつあります。ここでは保険のパンフレットには記載されないであろう、がんに関するデータを紹介していきたいと思います。

国立がん研究センターのデータ

がんに関する知識を知りたい場合や病院を検索したい場合など、がんに関する情報は国立がん研究センターのサイトから収集できます。

がんに関するデータ[男性]

がん保険は、性別によって保険料が異なりますので、まずは男性のデータから見ていきましょう。

がんによる死亡率[全国年齢階級別死亡率(対人口10万人)]

このグラフでは、若い年齢の死亡率が見にくいため、次の二つのグラフも参考にしてください。


なお、年齢階層別の死亡者数は次のグラフをご覧ください。

出典:「国立がん研究センター

高齢になるほどがんによる死亡者数が増える

ここまで見ていただいたグラフから、がんによる死亡率は徐々に増え、高齢者になると一気に上昇していることが分かります。このことは想像通りではないでしょうか。次に女性のグラフも見ておきましょう。

がんに関するデータ[女性]

男性と同じく、国立がん研究センターの統計データから作成しております。

がんによる死亡率[全国年齢階級別死亡率(対人口10万人)]

同じように、若い年齢の死亡率に注目したグラフです。


最後に、死亡者数です。

がんに関するデータ[男女]

次に、男女のグラフを組み合わせてみます。組み合わせると、女性向けのがん保険のパンフに利用できるグラフになります。

さらに幼少期と高年齢期を削除したグラフです。20代~60代の女性に、「男性より死亡率が高いのです」と勧誘することができます。ただ男性より死亡率が低くても、心配な人は心配でしょうから、この比較は意味がないかもしれません。

がん保険は必要か

データだけ見れば、若いうちにがんで死亡する可能性は、高齢者に比べて低いことが分かりますが、これだけでがん保険の必要性を考えることはできません。気になるのは亡くなるまでの状況でしょう。できれば次のデータも欲しいところです。

・がんにかかった齢別の医療費
・がんと診断されてから完治するまでの日数

がんで亡くなる可能性は低くても、がんになった場合の治療費が高ければ心配ですし、完治するまでの日数が長ければ治療費がかさみますので気になります。(つづく)

保険の選び方

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保険の選び方

ここでは保険の選び方について紹介していきます。保険は様々な種類がありますので、死亡保険、医療保険、がん保険、個人年金保険、自動車保険に分けて解説していきます。私自身、生損保約30社の商品を販売していた経験がありますが、そもそも販売していたとしてもすべての商品を把握しているわけではありません。ほとんど売れていない商品を含めると無数の商品が販売されているためです。保険を販売する人は保険募集人と言いますが、相談した保険募集人が知っている情報で保険商品を提案される側面があります。そのほか、保険業界の状況を踏まえ、保険に詳しくない人がどのように自分に合った商品を選択すればいいか見ていきましょう。

そもそも保険は必要か?

保険を考える際、そもそも保険が必要かどうかで悩まれている人もいらっしゃるでしょう。全く保険に加入しないと決めている人はこのサイトに訪問することはないでしょうが、必要かどうかを考えることは大切だと思いますので、別途、判断材料をまとめておきたいと思います。ただ資金面で余裕でも保険に加入しない人と資金面で余裕がないので保険に加入しない人では考え方が異なります。これから保険の選び方を解説していきますが、資金面で余裕がないため、保障を絞らなければならない人向けであるとも言えます。つまり限られた予算内でどのような保険を選ぶかについては念頭に置いて解説します。

保険会社や募集人が見せる資料だけで判断するのに不安を感じる人もいらっしゃると思いますので、検討している人が正しく判断できる材料を紹介できればと思います。

次のような人向けに解説します!

・資金が限られているため、保険選びで迷っている人
・ある程度、保険の必要性を感じている人

保険に対する考え方は人それぞれ

保険に対する考え方は様々です。保険料を支払わなければなりませんので、保険料に見合う給付金や保険金を受け取れるか、得かどうかで判断する人もいらっしゃるでしょう。保険はそもそも多くの人が資金を出し合い、困ってい人に資金を渡すもので、損をする人は必ず出ます。ただ保険会社によっては経費がかかってしまい、契約者や被保険者に資金が回りにくい仕組みになる場合もあるでしょう。その点では比較検討して自分に合った商品を選択していく必要があります。

保険を選ぶ前に知っておきたいこと

保険の知識ももちろん必要ですが、ここでは商品の知識ではなく、保険選びに影響を及ぼす業界の状況について解説していきます。

保険選びは良き相談相手を探すこと

保険に加入する際、どこに相談するか、相談先の選択から始まります。保険の商品に詳しくなくても基本的には説明を受け判断することになります。いい相談相手に巡り合うかが最も重要であると言っても過言ではありません。信用できる募集人から加入する方が安心でしょう。ただ基本的にどの募集人も説得力があると考えておかなければなりません。つまり信頼できる募集人と言っても、本当に信頼できるどうかを判断するのは難しいでしょう。この点は、保険の選び方について詳細を解説する際に触れることにします。

保険商品の知識だけでなく、判断材料を集めること

良き相談相手を探すことも重要ですが、相談相手が良いか悪いかを判断するための材料が必要です。相手は保険のプロですし、知識ではかないません。そのため、相談してプロの意見を参考にすることは重要です。しかし相手のお勧めする商品をそのまま加入してしまうと後悔する可能性があります。

そこでポイントとなるのが判断材料です。相手が持たない資料として、家計の情報があります。あらかじめ予算を決めておき、その範囲内で加入することにしておけば、保険料の支払いが負担になる可能性は小さくなります。ただ家計の詳細を見せてしまうと、判断材料の一つを失うことになるかもしれませんので、注意が必要です。

次に保険加入の根拠となるデータです。商品パンフレットや募集人が示すデータは加工後の資料で、一部です。嘘は書かれていませんが、物事の一面しか表していないかもしれません。自分に合った商品を選ぶためには与えられた資料だけでなく、自分で集めたデータも判断材料に加え、検討しましょう。

現在、契約書の電子化が進んでおり、タブレットやネットで契約を結ぶ機会が増えています。保険商品もネットだけで契約できる商品が増えてくるでしょう。ネットは便利ですが、保険料の安さとはトレードオフの関係だと考えております。便利さを求めると、保険料は安くならない、どちらも同時に成立しないことを意味します。保険料が安くても必要のない保険に加入したり、保障が不足していたりする可能性もあります。実際に支払う保険料が安くても、自分に合っていなければ無駄となります。もちろん、保険商品を理解し、比較検討して選択できる人は保険料を安くすることができます。直接、募集人から説明を受けなくても自分に合った商品を選べるでしょうか。直接説明を受けた方が余計な保険に入らされる、と感じる人もいらっしゃると思いますが、いずれにしても保険の知識と判断材料は必要となるでしょう。

判断材料にならないもの

保険を選ぶにあたり、判断材料にならないものもあります。状況にもよりますが、一般的に次のようなものは判断材料にならない、もしくはなりにくいものです。

・お勧めを聞いたときの回答
・最も売れている商品または最近人気の商品
・募集人が加入している商品

保険に加入する窓口

多くの人はどの販売ルートから保険に加入しても同じだと考えているでしょう。しかしペットネーム(保険の商品名)が同じでも保険料が異なることがあります。最近では、「ネット用」「銀行用」と書かれているパンフレットが目に付きます。これは保険会社が支払う手数料が関係しています。保険会社が自社の商品を直接販売する場合と、代理店経由で販売する場合とでは、代理店経由の方が費用がかかります。これが代理店手数料です。代理店経由で加入するケースが多く、保険会社もあらかじめ代理店への手数料支払い分も計上して保険料を設定します。ただ市場にあるどの商品よりも保険料を安くするため、代理店を通せない(手数料を支払えない)商品もあります。基本的に自分に合った商品を選ぶためには保険商品を比較しなければならず、複数の保険会社の商品を取り扱う代理店(乗合代理店)に相談することをお勧めしますが、保険会社が直接販売する商品を確認しておくといいでしょう。販売ルートとして次のようなものがあります。

・乗合代理店(店舗型・ネット型)
・金融機関
・保険会社直販

乗合代理店は、ショッピングモールなどで店舗を構える店舗型とネットを中心に集客しているネット型に分かれますが、基本的には複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店です。また金融機関も乗合代理店ですが、取り扱ってい商品は限定的です。複数の保険会社から限られた商品だけを販売しているため、一般の乗合代理店とは少々異なります。というのも、数多くある商品から比較検討しなければなりませんので、目的を達成できない可能性があるためです。ただ金融機関の商品がダメだというわけではありません。金融機関用の商品を販売していたり、結果的に選ばれやすい商品を扱っていたりするためです。最後に保険会社直販ですが、代理店だけでなく保険会社のサイトも確認するようにしましょう。ネット検索すると基本的に保険会社の公式サイトが表示されますが、なかには代理店のサイトの場合もあります。公式かどうかの確認もしておきましょう。

保険の種類

生命保険と損害保険、第三分野の医療保険を合わせると、数多くの種類があります。基本的に個人や家庭がかかえるリスクすべてを保険で準備するのは無理ですので、優先順位を付ける必要があります。ここではどのような種類があるか確認し、そのうち、どれが必要か考える土台にしましょう。

死亡保険

死亡保険は、被保険者が亡くなったときや所定の高度障害状態になった時に、保険金が受け取れる保険です。掛捨型や貯蓄性のあるタイプのほか、運用重視の外貨建て保険など様々あります。

定期保険・収入保障保険

定期保険は、たとえば契約から15年のうちに死亡した場合に死亡保険金が受け取れるが、何もなければ解約返戻金や満期保険金がない掛捨型の死亡保障です。「15年」は商品によって期間が異なりますが、15年後に更新すれば継続でき、その時の年齢が基準となるため、保険料は上がります。定期保険は保険金を1,000万円に設定すれば期間中はずっと1,000万円の保障となります。一方、定期保険の一種である収入保障保険は、保険金を年金形式で受け取れるタイプで、満期に近づくほど受け取れる総額は少なくなります。定期保険が長方形なら、収入保障保険は右下がりの三角形です。基本的に必要保障額は年々減少しますので、無駄が少なくなり、保険料も安くなります。

終身保険・低解約返戻金型終身保険

終身保険は契約を継続している限り一生、死亡保障が続き、保険料支払終了後など解約するタイミングによって、支払った保険料よりも多く解約返戻金を受け取れるため、貯蓄性のあるタイプとなります。一方、低解約返戻金型終身保険は、保険料支払期間中の解約返戻金を、一般の終身保険の70%程度にする反面、保険料支払終了後の解約返戻金は一般の終身保険と同じとなるため、保険料を継続して支払うことができれば一般の終身保険より解約返戻率(解約返戻金÷既払保険料総額×100)は高くなります。

変額終身保険

変額終身保険は、保障内容は終身保険と同じですが、金額が変額するという特徴があります。死亡保険金は最低保証されているものの、解約返戻金に最低保証はなく、運用次第では保険料総額の方が高くなることもあります。

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険は、保障内容は終身保険と同じですが、外貨建てなので、為替変動の影響を受けます。一般の終身保険は円建てですが、外貨建て終身保険の方が積立利率が高いときに魅力が出ます。

医療保険

医療保険はがんを含め、様々な病気やケガで入院、手術をしたときに給付金を受けられる保険です。

日額型

医療保険の日額型は、60日型や120日型などがあり、1日5,000円など1日当たりの金額をベースに契約する医療保険です。手術給付金が日額の20倍など日額をベースになっていることが多いため、手術給付金の額にも影響します。日額型は基本的に生命保険会社の商品です。

実費補償型

実費補償型の医療保険は、契約時に定めた金額で給付されるのではなく、実際に支払った金額が補償される医療保険です。窓口負担の全額が補償されるため、保険としては最も安心できると言えますが、高齢になるほど病院を利用する可能性があるため、保険料は日額型と比べてかなり高くなります。実費補償型は基本的に損害保険会社の商品です。

がん保険

がん保険はがんに特化した医療保険で、入院日数や手術日数に制限がないのが一般的です。また契約から90日間は免責期間となり、がんと診断されても保障の対象外となりますが、契約時から保障される商品もあります。現在では様々な種類のがん保険が販売されています。

日額型

1日1万円など、日額ベースで決めます。近年は入院日数が短くなっていることから、がん診断給付金のみ加入できる商品もあります。入院日額は入院しなければ給付されないため、入院日数の短期化がみられる現在ではがん診断給付金のみで使い方が自由な方が使い勝手はいい。

実費補償型

実費補償型は実際にかかった費用を補償する保険で、損害保険会社の商品です。医療保険と同様、高齢になるほど保険料が高くなるため、商品性はいいが、加入するとなると悩んでしまうかもしれません。

患者者数から医療保険を考える

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年齢別患者数

出典:厚生労働省「平成26年(2014)患者調査の概況」

上記の資料から20歳から医療保険に加入するとして、64歳までの患者数割合を算出すると、入院で約26.1%、外来で約39.4%となっています。つまり統計上、約73.9%、4人に3人は入院自体しないことになり、医療保険を使う機会がないとわかります。入院を伴わない外来は利用する機会がある程度ありますが、外来に対応していない医療保険がほとんどですので、基本は入院で検討することになるでしょう。

65歳以降をみると患者数が増えることから、入院・外来ともに年齢を重ねるほど医療費がかかることが分かります。

このことから、次の2パターンが考えられます。

(1) 保険料の安い20歳台、30歳台から加入する。
[メリット]
・解約せず終身継続すれば、退職後に加入するより総医療費は安くなる。
・退職後も保険料が安くて済む。
※いずれも見直ししないことが前提となる。
・病気になった場合は保険を継続し、健康であれば見直しする選択肢が生まれる。
[デメリット]
・見直しにより、保険料が上がる可能性がある。
(2) 退職(子ども独立)までは共済等に加入し、退職年齢(子ども独立)前後に医療保険に加入する
[メリット]
・住宅ローンや教育費など支出が多いときに保険料をおさえられる。
・将来の医療費負担に備えてより多くの貯蓄ができる。
※(1)でも貯蓄できないわけではない。
・将来の医療状況に合わせた保険で終身加入できる。
[デメリット]
・病気の症状によっては希望通りの医療保険に加入できない場合がある。
・持病があっても加入できる引受基準緩和型医療保険があるが、保険料の負担が大きくなる。

入院日数から医療保険を考える

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知識
判断材料
選び方

病床種類別の平均在院日数(全国平均28.5日)

調査によりますと、一般病床で最も平均在院日数が長いのが高知県で21.3日、全病床でも高知県が最も長く46.4日です。長期入院となる療養病床では富山県の252.9日が最も長く、長崎県は100.4日と最も短くなっています。

一般病床の平均在院日数(全国平均16.2日)

精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床以外の病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

療養病床の平均在院日数(全国平均152.2日)

おもに長期の療養を必要とする患者のための病床(精神病床、感染症病床、結核病床を除く)

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

精神病床の平均在院日数(全国平均269.9日)

精神疾患を有する人のための病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

介護療養病床の平均在院日数(全国平均314.9日)

都道府県知事指定の介護療養型医療施設に係る病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

医療保険でどう対応するか

生命保険会社が販売する日額型の医療保険は、60日型と120日型がメインです。利用する頻度が高い一般病床だけの保障で十分であれば60日型で十分でしょう。ただ精神疾患や介護療養以外の長期入院では全国平均が152.2日と5か月程度の入院となっていますので、120日型でも不足することになります。一部の保険会社では長期入院に対応した商品も販売されています。

利用する頻度の高い短期入院に対応するか、頻度は低いが入院となると家計への負担が大きくなりそうな長期入院に対応するか検討しなければなりません。

死亡率に見る働き盛りの死亡保障

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死亡率から見る保険の必要性

子どもが生まれたら教育費や万一のときの保障を考えると思います。教育資金は準備する必要があるとして、死亡保険がそもそも必要かどうかを考えてみましょう。

65歳までの死亡率

簡易生命表から死亡率を見てみましょう。

65歳までの男性の死亡率

男性の死亡率は、65歳までが約11.6%、約60歳までが約7.6%、55歳までが約5.0%となっています。

出典:厚生労働省「平成29年簡易生命表」

65歳までの女性の死亡率

女性の死亡率は、65歳までが約5.9%、約60歳までが約4.1%、55歳までが約2.9%となっています。

出典:厚生労働省「平成29年簡易生命表」

ここでは65歳までの死亡率に注目していますが、数千万円の死亡保障は末子誕生時に必要で、少しずつ減少します。子どもが独立すれば多額の死亡保障は不要となりますので、たとえば末子の独立時、男性(夫)の年齢が55歳であれば、死亡率は約5%となります。同様に女性(妻)の年齢が55歳であれば、死亡率は約3%です。

共働き世帯が増えていますので、夫にすべての保障額をかけるのではなく、妻と分担することになります。妻が年下であれば、さらに死亡率は低くなります。

データで判断するか、感情で判断するか

死亡保険は、家族の一員が亡くなった場合、家計の収入が減少し、金銭的な保障を得るために加入します。データ上では10%に満たないリスクに対して保険料を支払っていることになります。もちろんデータを信じて加入しなかった場合に亡くなると、保障は得られません。確率は関係なく心配だから加入したいという人もいらっしゃるでしょう。

死亡保険の組み合わせと保障金額の考え方

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死亡保険の商品の組み合わせ方

死亡保険は必要だと考えている場合、死亡保険の商品の組み合わせに悩むと思います。まずは死亡保険の組み合わせ方について考えてみましょう。死亡保障は終身保険や定期保険など様々な商品が対応しています。組み合わせ方は数多く、迷われるかもしれません。

・共済のみ
・低解約返戻金型終身保険+共済
・低解約返戻金型終身保険+収入保障保険
・変額終身保険+共済
・変額終身保険+収入保障保険
・低解約返戻金型終身保険のみ
・収入保障保険のみ
・変額終身保険のみ など

共済は役に立つのか

民間の保険会社の商品以外に各種共済が販売している商品があります。保険料が一定で、加入しやすく、保障内容は医療保障から死亡保障まで幅広く保障されています。掛金は2,000円や4,000円程度のものが多く、死亡保障は400万円~800万円程度と、1,000万円以内の保障が多くなっています。

各種共済は、医療保障と死亡保障が一体となっていて入りやすいと感じるかもしれませんが、死亡保障の保険金額は十分でしょうか。共済は、医療保障が65歳まで、死亡保障が85歳までなどと保障期間が限られており、加入したくても一生保障されるわけではありません。

共済は一般的に予定より資金が余れば剰余金を「割戻金」として受け取ることができます。割戻金を期待した保険料で考えると、手軽に加入できることが分かります。民間の保険会社の商品は、一生涯保障される医療保険が多く、医療費は高齢になるほど負担がかかることを考えると、共済では心配かもしれません。

保険代理店に相談する前に決めておきたいこと

保険の加入方針が明確であればいいですが、全く知識がないのでとりあえず相談に行こうという人は、言われるがままに加入してしまう可能性が高くなります。保険の知識も大事ですが、保険料の支払いが負担に感じないよう、最低限次のことを決めておきましょう。

・毎月の支払額
・掛捨型か貯蓄型か
・円建てか外貨建てか

保険募集人が受け取る収入は、支払金額が大きくなるほど増えますので、掛捨型以外絶対に加入しない旨を強く伝えない限り、貯蓄型や外貨建て商品を勧めてくるでしょう。これらの商品が悪いわけではありませんが、説明を受ける前に方針をはっきりさせないと自分に合った商品を選べない可能性があります。

低解約返戻金型などの貯蓄型を勧めてくるケース

保険募集人が貯蓄型を勧める際によく使うフレーズが「貯金の利息よりマシ」です。間違ってはいないですし、保険会社が破綻するなどしなければ、保険料より多く戻ってくるでしょう。ただ貯蓄型の保険に加入する場合、一点考えていただきたいことがあります。

・掛捨型:死亡保障
・貯蓄型:死亡保障+運用

保険商品を比較する際には、保険金額と保険料から絞り込みます。医療保険のように保険会社による差はありません(まったくないわけではありません)ので、比較はしやすいでしょう。死亡保障の掛捨型であれば収入保障保険などの定期保険になりますが、必要補償額が決まればあとは保険料の安い商品を選べばよいことになります。

では、貯蓄型を勧められたらどうするでしょう。おそらく、そのまま掛捨型の保険料と比較し、無理のない保険料であれば、「預金より利息がマシな」貯蓄型を選ぶでしょう。しかし貯蓄型は「死亡保障+運用」です。「運用」部分をしっかり比較検討しなければなりません。

「運用」の比較検討になりますと、外貨建てや変額保険なども候補になると考えるかもしれませんが、これらはさらに別の要素が含まれてしまいます。そこで、一般的な運用先である、株式、投資信託などが候補になります。元本割れする可能性はありますが、税制優遇制度を上手に使うことで、ある程度のリスクを軽減することもできます。

低解約返戻金型終身保険などの貯蓄型を否定しているわけでも、株式や投資信託を勧めているわけでもありませんが、正しく比較検討していただきたいのです。

外貨建て終身保険や変額終身保険を勧めてくるケース

同じように、今度は外貨建て終身保険や変額終身保険を勧めてくるケースを考えてみましょう。こちらの商品は「掛捨型より貯蓄型に加入したい」と伝えないとなかなか勧められない商品でしょう。一部、外資系の保険会社で外貨建て商品をメインで扱っている場合は真っ先に外貨建て商品を勧めてくるかもしれません。それでは、先ほどと同じように、特徴を分解してみましょう。

・低解約返戻金型終身保険:死亡保障+運用(契約時に受取額が決まっている)
・外貨建て終身保険:死亡保障+運用(為替変動の影響を受ける)
・変額終身保険:死亡保障+運用(円建てだが受取額は変動する)
※受取額は解約返戻金額です。

外貨建てや変額保険を選択する場合、一般的な保険に比べれば、受取額は変動するためリスクが高くなります。これらの商品が選択肢になるのであれば、ぜひ、iDeCo(イデコ)やつみたてNISAを利用した投資も検討してください。

まとめ

保険を利用して運用を考える場合、「収入保障保険(掛捨型)」と「低解約返戻金型終身保険(貯蓄型)」を比較するのではなく、「低解約返戻金型終身保険(貯蓄型)」と「収入保障保険(掛捨型)+iDeCo」を比較してみてください。さらに相談前に決めておくことで、相談時の説明を理解するのに余裕が生まれます。

介護保険は必要か?

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介護保険は必要か?

高齢になれば介護の必要性は増加するのは納得できるでしょう。ここでは退職前までに介護保険が必要かどうかの判断材料となる統計データ等を紹介していきます。

公的介護保険は、40歳から65歳までは第2号被保険者になりますが、交通事故などによる介護は給付の対象外となります。65歳以降は介護の原因は問わなくなりますので、ある程度、公的介護保険に頼るとして、65歳までに民間の介護保険が必要かどうかを考えなければなりません。

公的介護保険の給付状況

次の統計データは、65歳以降の公的介護保険の給付状況です。65歳時点で、男性2.4%、女性1.8%ですので、65歳未満はもっと少ないと考えられます。

65 歳以上における性・年齢階級別にみた受給者数及び人口に占める受給者数の割合

出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計」

保険[がん保険]の選び方

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「がん保険」の選び方

日本人の死因第1位はがんです。これは寿命が伸びたことにより、高齢者のがん患者が増えたことによりますが、著名人のがん告白を拝見することが多くなり、心配している人も多いかと思います。がんは生活習慣病の一つですので、栄養のある食事と適度な運動、定期健診などでがんを患ったとしても治る病気として認知されつつあります。がん治療に対する医療技術の進歩はめざましく、いずれはほぼ治る病気となるのではないでしょうか。

がん保険は各保険会社が販売しており、数十年前のがん保険では十分な効果が得られなくなっています。このように言われてから随分月日が経っていますので、見直しした人も多いでしょう。おそらく、最近契約した人も数十年後は保障内容の異なる保険に見直したり、そもそもがん保険が要らなくなったりしているかもしれません。

がん保険の種類

がん保険は生命保険会社が販売する日額型と損害保険会社が販売する実費補償型がありますが、商品数の多さからも日額型が中心となっています。ただ日額型は入院日数をベースにするため、入院日数が短期化している現在、期待通りの保障を受けられない可能性もあります。そこで入院による保障ではなく、がんと診断された給付されるがん診断給付金を主契約とするがん保険が誕生し、一部の生命保険会社で販売されています。