年齢階級別の医療費と入院日数

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年齢階級別の医療費と入院日数

保険会社のパンフレットに記載されているデータだけではなく、様々なデータをもとに医療費と医療保険について考えていきます。厚生労働省では「医療給付実態調査」を行っており、傷病別に入院日数や医療費を算出することができます。

平均入院日数

調査結果には、件数、日数の総数が記載されていますので、「日数/件数」で平均入院日数を算出しました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
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グラフが重なっていて分かりにくいですが、ここで知りたいのは年齢階級によって平均入院日数が変化するかどうかですので、変化がほとんどない傷病を除いてグラフにしました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
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総合失調症や脳血管疾患は明らかに高齢者ほど平均入院日数は長くなっており、他の傷病と比較しても平均入院日数は長めです。また悪性新生物は若年層の方が平均入院日数は長くなっており、40歳以上で12日程度に落ち着いています。悪性新生物を除いて、全体的に高齢者ほど平均入院日数は長くなると考えてもいいでしょう。

最後にもとになった数値を紹介しておきます。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
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医療費

次に医療費です。調査結果には、件数と点数(1点10円)が記載されています。また今回は3割負担のみをグラフ化していますので、「点数×10/件数×0.3」で平均医療費を算出しました。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
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若年者の悪性新生物の場合、医療費は目立って高くなっています。またおおむね、どの年齢階級でも、悪性新生物、脳血管疾患、虚血性心疾患のいわゆる三大疾病の医療費が高くなっています。

最後にもとになった数値を紹介しておきます。

※出典:厚生労働省「医療給付実態調査」
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実際にかかる医療費

これまで紹介してきた医療費は3割負担部分のみで、実際には高額療養費制度を利用することで負担は下がります。ただこれらの金額は1件に対する金額ですので、再入院した場合には医療費がかさむことになります。

患者者数から医療保険を考える

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知識
判断材料
選び方

年齢別患者数

出典:厚生労働省「平成26年(2014)患者調査の概況」

上記の資料から20歳から医療保険に加入するとして、64歳までの患者数割合を算出すると、入院で約26.1%、外来で約39.4%となっています。つまり統計上、約73.9%、4人に3人は入院自体しないことになり、医療保険を使う機会がないとわかります。入院を伴わない外来は利用する機会がある程度ありますが、外来に対応していない医療保険がほとんどですので、基本は入院で検討することになるでしょう。

65歳以降をみると患者数が増えることから、入院・外来ともに年齢を重ねるほど医療費がかかることが分かります。

このことから、次の2パターンが考えられます。

(1) 保険料の安い20歳台、30歳台から加入する。
[メリット]
・解約せず終身継続すれば、退職後に加入するより総医療費は安くなる。
・退職後も保険料が安くて済む。
※いずれも見直ししないことが前提となる。
・病気になった場合は保険を継続し、健康であれば見直しする選択肢が生まれる。
[デメリット]
・見直しにより、保険料が上がる可能性がある。
(2) 退職(子ども独立)までは共済等に加入し、退職年齢(子ども独立)前後に医療保険に加入する
[メリット]
・住宅ローンや教育費など支出が多いときに保険料をおさえられる。
・将来の医療費負担に備えてより多くの貯蓄ができる。
※(1)でも貯蓄できないわけではない。
・将来の医療状況に合わせた保険で終身加入できる。
[デメリット]
・病気の症状によっては希望通りの医療保険に加入できない場合がある。
・持病があっても加入できる引受基準緩和型医療保険があるが、保険料の負担が大きくなる。

入院日数から医療保険を考える

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知識
判断材料
選び方

病床種類別の平均在院日数(全国平均28.5日)

調査によりますと、一般病床で最も平均在院日数が長いのが高知県で21.3日、全病床でも高知県が最も長く46.4日です。長期入院となる療養病床では富山県の252.9日が最も長く、長崎県は100.4日と最も短くなっています。

一般病床の平均在院日数(全国平均16.2日)

精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床以外の病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

療養病床の平均在院日数(全国平均152.2日)

おもに長期の療養を必要とする患者のための病床(精神病床、感染症病床、結核病床を除く)

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

精神病床の平均在院日数(全国平均269.9日)

精神疾患を有する人のための病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

介護療養病床の平均在院日数(全国平均314.9日)

都道府県知事指定の介護療養型医療施設に係る病床

出典:厚生労働省「平成 28 年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

医療保険でどう対応するか

生命保険会社が販売する日額型の医療保険は、60日型と120日型がメインです。利用する頻度が高い一般病床だけの保障で十分であれば60日型で十分でしょう。ただ精神疾患や介護療養以外の長期入院では全国平均が152.2日と5か月程度の入院となっていますので、120日型でも不足することになります。一部の保険会社では長期入院に対応した商品も販売されています。

利用する頻度の高い短期入院に対応するか、頻度は低いが入院となると家計への負担が大きくなりそうな長期入院に対応するか検討しなければなりません。