住宅ローンにおける連帯債務者と連帯保証人とは?それぞれの特徴と違い

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住宅ローンを一人で利用する場合には権利関係は単純ですが、夫婦で住宅ローンを利用する場合、連帯債務者や連帯保証人など専門的な法律用語が出てきます。

契約時に説明を受けると思いますが、何となく「とにかく返済すればよい」と思い、あまり深く理解しようとしないかもしれません。確かに順調に返済していれば問題ありませんが、返済計画に影響が出ると連帯債務者か連帯保証人かの立場が重要になってきます。

そこで今回は、将来の不安を少しでも解消するためにも連帯債務者や連帯保証人について理解を深めておきましょう。

住宅ローンの連帯債務者の特徴

連帯債務は民法第432条に規定されています。
「数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」

たとえば夫Aと妻Bでそれぞれ互いに連帯債務者になっているとします。
夫婦ともに住宅ローンの債務者となり、3000万円を均等に返済する場合は、それぞれ1500万円の借金を負い、また住宅ローン控除はそれぞれ1500万円が対象となります。

ただ連帯債務は民法上、金融機関は3000万円をそれぞれに全額請求することができます。片方だけに3000万円全額を請求することもできます。実質的には夫婦それぞれ3000万円の債務を負っていることになります。

なお連帯債務の場合、住宅ローンは1本となりますので、住宅ローン控除は負担割合に合わせて適用できるものの団体信用生命保険への加入は1名とみとなります。

住宅ローンの連帯保証人の特徴

保証は民法第446条、連帯保証は民法454条に規定されています。
「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」
「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない」

連帯保証人は、主な債務者が返済しない場合に返済する義務が生じます。この時、連帯保証人は主な債務者に請求するよう要求できず、返済しなければなりません。たとえば夫が3000万円を借り入れ、妻が連帯保証人になった場合、夫の返済が滞ると、妻に支払いの請求が行くことになります。

連帯保証人は「返済できない場合に」返済の義務が生じますが、連帯債務者と同様、3000万円の返済義務が生じるため、基本的な責任は同じとなります。

住宅ローンのペアローンの特徴

では、住宅ローンのペアローンはどのような特徴があるのでしょうか。連帯債務者と連帯保証人は借入金3000万円を支払う責任がありました。ペアローンの場合は、連帯債務者とは違い、完全に別々の住宅ローンを組みます。

たとえば夫が1500万円、妻が1500万円のローンを組むと連帯債務者と同様、それぞれ住宅ローン控除の適用を受けることができます。ただ契約を2本組みますので、契約にかかる手数料はそれぞれかかります。

連帯債務者・連帯保証人・ペアローンのまとめ

連帯債務者、連帯保証人、ペアローンについて解説してきましたが、それぞれ住宅ローンにかかる影響についてまとめると次のようになります。

連帯債務 連帯保証 ペアローン
 住宅ローン控除  2名  1名  2名
 団信加入  1名  1名  2名
 手数料  1名  1名  2名
 持分  2名  1名  2名

各金融機関の取り扱い

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都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 家族ペア返済方式(ペアローン)・収入合算
※収入合算はネット住宅ローンの対象外
※同性パートナー可
 三菱UFJ銀行 ペアローン・収入合算
※Quick審査は利用できない
 三井住友銀行 収入合算(連帯債務)
※クロスサポートで夫婦のどちらが亡くなっても残高0円に
 りそな銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 三菱UFJ信託銀行 ※要調査
 三井住友信託銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 じぶん銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 新生銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン
 住信SBIネット銀行 収入合算(連帯保証)・ペアローン(連帯保証)
 ソニー銀行 ペアローン(連帯保証)
※同性パートナーも可
 楽天銀行 収入合算(連帯債務)
フラット35
 金融機関  項目
 フラット35(共通) 収入合算(連帯債務)

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。


まとめ

住宅ローンを夫婦で利用するときには少し複雑になりますが、理解しておけばその分、不安要素を減らすことができます。最近は夫婦共働き世帯が多く、実際の相談でも1名で組んだ場合、2名で組んだ場合の違いをシミュレーションすることがあります。気になる場合は具体的にシミュレーションをして比較検討してください。

住宅ローンの基準金利と優遇金利何が違うの?

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住宅ローンの借入先を検討する際、金利は非常に大切な比較ポイントとなります。しかし金融機関のサイトを見ると、「金利」や「優遇金利」と書かれており、詳細ページには基準金利や適用金利などの言葉も見られます。

住宅ローンにおける金利は、一律に決まっているのではなく、固定金利や変動金利など金利タイプによって異なるだけでなく、審査によっても変わってくる金融機関もあります。

そこで今回は、住宅ローンの金利はどのような意味があるのか解説していきます。

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利がある

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利があります。基準金利は店頭金利と呼ばれることもあります。基準金利(店頭金利)は金融機関が毎月決定する基準となる金利です。たとえば住宅ローン変動金利型の基準金利は2.475%としている金融機関が多く、近年、変動しておりません。

住宅ローン変動金利型に基準金利をそのまま適用すると2.475%ですが、ここから相談や審査を通して、金利を引き下げ、実際に適用される金利が優遇金利となります。優遇金利が適用金利となることがほとんどです。

住宅ローンの優遇金利の取り扱い

住宅ローンの金利を確認する際、条件によって金利が異なるため、適用金利がどれになるか分からないことがあります。

都市銀行などでは、審査によって金利引き下げ幅が異なり、審査結果を確認しないと適用金利は分かりません。一方、ネット銀行などに多いのは、金利引き下げ幅が決まっており、優遇金利で借りられるかどうかの審査を行うケースです。

審査の結果で金利引き下げ幅が決まる金融機関は、公式サイトの金利ページに「引き下げ幅の範囲」が▲1.700%~▲1.200%などと書かれていますので、すぐわかるでしょう。

住宅ローンの優遇金利の適用期間を確認する

住宅ローンの基準金利と優遇金利について解説しましたが、適用される金利はほとんどの場合で優遇金利ですので、注目すべきは優遇金利となります。

しかし優遇金利が適用される期間が商品によって異なりますので、事前に確認が必要です。適用される期間は主に次のとおりです。
・通期(全期間)
・当初(固定金利特約期間中)

「通期」は借入期間中ずっと同じ金利引き下げ幅となりますので、あまり気にすることはありませんが、「当初」のみ優遇される場合には注意が必要です。

たとえば固定10年の場合、当初10年間だけ適用される引き下げ幅と10年経過後に適用される引き下げ幅があり、一般的に引き下げ幅は少なくなります。固定金利期間終了後のシミュレーションをしっかりしておけば借入前に返済額は分かります。必ずシミュレーションしてから判断しましょう。

まとめ

住宅ローンの金利といっても、基準金利や店頭金利、優遇金利、適用金利と様々な金利があることを紹介しました。基本的には店頭金利=基準金利、優遇金利=適用金利ととらえておき、あとは借り入れる予定の金融機関で金利について確認すればいいでしょう。

住宅取得でかかる物件の諸費用と融資の諸費用

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住宅取得時には、住宅購入費用や建築費用だけでなく、様々な費用がかかります。住宅取得資金と一緒に諸費用も借り入れることができますが、できる限り負担を軽減したい人は諸費用だけでも現金で支払った方がいいとお考えでしょう。

そこで今回は、住宅取得でどのような費用がかかるか、物件にかかかる諸費用と融資にかかる諸費用について解説していきます。

物件にかかる諸費用と融資にかかる諸費用

住宅取得では、不動産販売業者や建築会社に支払う物件にかかる諸費用と金融機関に支払う融資にかかる諸費用があります。どのような費用があるか確認しておきましょう。

 

物件にかかる諸費用

物件にかかる費用には次のようなものがあります。
・不動産取得税
・固定資産税
・収入印紙税
・火災保険料や地震保険料

融資にかかる諸費用

融資にかかる費用には次のようなものがあります。
・収入印紙税
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料

その他の諸費用

他に次のようなものがあります。
・引越費用
・家具や家電費用
・雑費(転居案内・近所へのご挨拶等)

住宅別の物件・融資にかかる諸費用

ここまでは物件と融資に分けて必要な諸費用を紹介しましたが、ここからは新築一戸建てや新築マンションなど住宅別の物件・融資にかかる諸費用を見ていきます。

新築一戸建て

土地
 ・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
 ・仲介手数料
 ・固定資産税(清算金)
 ・不動産取得税
 ・収入印紙税
建物
 ・つなぎ融資
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)

中古一戸建て

・不動産取得税
・固定資産税(清算金)
・収入印紙税(売買契約書)
・火災保険料や地震保険料
・収入印紙税(金銭貸借契約書)
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料
・仲介手数料

マンション

・不動産取得税
・固定資産税(清算金)
・収入印紙税(売買契約書)
・火災保険料や地震保険料
・収入印紙税(金銭貸借契約書)
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料
・修繕維持積立基金
・管理費、修繕積立金、駐車場代等の前納分
・仲介手数料

物件にかかる諸費用と融資にかかる諸費用まとめ

住宅取得に際し、様々な諸費用がかかることが確認できたのではないでしょうか。諸費用は新築物件では、物件価格の5%前後、中古物件では10%前後かかるのが一般的です。住宅取得に向けてしっかり資金計画を立てておきましょう。

住宅ローンの融資率とは?融資率で金利が下がる

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住宅ローンの融資率は、頭金(手持金)をどのくらい準備するか、と同じ意味があります。頭金が多ければその分、借り入れる金額は少なくなりますので、ローン負担は減少するでしょう。

頭金を増やすことは住宅ローンの融資率を下げることですが、ローン負担の減少だけでなく、適用される金利を下げることもできます。

そこで今回は、融資率の意味と融資率を下げることで金利を下げられる金融機関を紹介します。

住宅ローンの融資率とは

住宅ローンの融資率とは、物件価格に対する融資金額の割合です。たとえば物件価格3,000万円で全額住宅ローンを利用すると融資率は100%、頭金を300万円準備してのこり2,700万円借りれば融資率は90%となります。

住宅ローンの融資率を下げるメリット

住宅ローンの融資率を下げる、つまり頭金をできるだけ多く準備するメリットは借入金額を減らし、利息の返済額を減少させることですが、これ以外にもメリットがあります。

最近の金融機関では融資率が90%以下と90%超とで金利に差を設けています。80%をラインとしている住宅ローンもあります。融資率90%なら頭金は物件価格の1割、80%なら2割となり、これ以外に諸費用も現金で支払う必要があります。

頭金など住宅取得へ向けて準備をしていることは、貸し手である金融機関にとっても信用度が高くなり、その分、金利は優遇されています。単に借入金額が減少することによる利息負担の軽減だけではありませんので、抑えておきたい点です。

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都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
 三菱UFJ銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
 三井住友銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
 りそな銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
 三菱UFJ信託銀行 融資率による優遇なし
※審査に通りやすくなる可能性はある
 三井住友信託銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 融資率による優遇なし
※審査に通りやすくなる可能性はある
 じぶん銀行 融資率による優遇なし
※審査に通りやすくなる可能性はある
 新生銀行 融資率90%以内なら▲0.05%
 住信SBIネット銀行 融資率による優遇なし
※審査に通りやすくなる可能性はある
 ソニー銀行 融資率90%以内なら▲0.05%
 楽天銀行 融資率による優遇なし
※審査の結果、引き下げ幅が大きくなる可能性はある
フラット35
 金融機関  項目
 フラット35(共通) 融資率90%以内なら▲0.44%
 アルヒ スーパーフラット9(融資率90%以内)なら▲0.49%
スーパーフラット8(融資率80%以内)なら▲0.54%

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。

まとめ

融資率は低いことに越したことはありませんが、頭金を準備することで貯蓄が減るため、必ず融資率を低くしなければならないという訳ではありません。ただ融資率が低いとさらなる優遇金利を適用してもらえるため住宅ローンの負担が軽くなることは確かです。総合的に考えて、どのような借入条件にするか決めましょう。

住宅ローンの負担を軽減できる一部繰り上げ返済

この記事を読むのにかかる時間:128

一部繰り上げ返済は、住宅ローンの利息負担を減らす方法としてご存知かもしれません。ここでは、一部繰り上げ返済の特徴と2つの返済タイプ、各金融機関の手数料について解説していきます。

住宅ローンの一部繰り上げ返済

住宅ローンの借入後に負担を減らす方法として、一部繰り上げ返済、借り換え、金利タイプの変更があります。この中で一部繰り上げ返済は比較的手軽にできる負担軽減法と言えます。

一部繰り上げ返済は、毎月の返済とは別にまとまった返済をする方法で、どの金融機関でも取り扱っています。ただ一部繰り上げ返済による手数料の有無や返済額の基準など金融機関で異なる点もありますので注意が必要です。

住宅ローン一部繰り上げ返済の2つのタイプ

一部繰り上げ返済には2つのタイプがあります。期間短縮型と返済額軽減型です。家計の状況によってふさわしいと思う方を選びましょう。

 

住宅ローン一部繰り上げ返済、期間短縮型

期間短縮型は、完済時期を早める方法です。たとえば借り入れ時に70歳が完済時であっても、繰り上げ返済で65歳を完済時期にし、退職前に住宅ローンを終わらせることができます。完済時期が遅くて心配な人は期間短縮型を選びましょう。

住宅ローン一部繰り上げ返済、返済額軽減型

返済額軽減型は、毎月の返済額を減らす方法です。毎月の返済額を減らし、家計のやり繰りをしやすくすることで、生活にゆとりがでます。ただある程度まとまった資金で繰上げ返済をしないと実感できるほど返済額を軽減させることができません。

住宅ローン借入前に確認しておきたい手数料

一部繰り上げ返済の手数料は無料としている金融機関が多いですが、窓口や電話での返済は手数料がかかることもあり、借入前に確認しておいた方がいいでしょう。

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一部繰上げ返済の窓口は、インターネットバンキングなどのweb経由、店舗窓口、店舗内テレビ電話(専用パソコン)などがあります。

都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 webは無料、その他32,400円
※保証料一括前払い型の場合、保証料の一部が還付されるが、保証会社手数料として10,800円かかる。
 三菱UFJ銀行 webは無料、窓口16,200円、その他5,400円
 三井住友銀行 webは無料、窓口16,200円、その他5,400円
※保証料外枠方式の場合、保証料の一部が還付されるが、保証会社手数料として10,800円かかる。
 りそな銀行 webは無料、変動金利型や全期間固定金利型は5,400円、固定金利選択型32,400円
1万円以上1万円単位
なお、保証料一括前払い型の場合、保証料の一部が還付されるが、保証会社手数料として10,800円かかる。
 三菱UFJ信託銀行 webは無料、変動金利型は3,240円、固定金利型16,200円
 三井住友信託銀行 webは無料、変動金利型は5,400円、固定金利型21,600円
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 web・店舗とも無料
1万円以上1円単位
※店舗は返済元金50万円以上
 じぶん銀行 無料
 新生銀行 無料
1円以上1円単位
※スマート返済は1万円以上
 住信SBIネット銀行 無料
1円以上1円単位
 ソニー銀行 無料
1万円以上
 楽天銀行 web、電話とも無料
1万円以上1万円単位

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。

住宅ローンの負担を軽減できる一部繰り上げ返済まとめ

一部繰り上げ返済をすることで利息の負担を下げることができます。借り換えに比べて手軽に負担を軽減できますので、変動金利で金利が上昇した場合などにもリスク回避の方法として使うことができます。

教育費など他の支出が続いている時期は難しいかもしれませんが、3年ごとや5年ごとなど一定金額が貯まるたびに定期的に一部繰り上げ返済する人もいらっしゃいます。

無理のない範囲で返せるときに返し、利息額を減らしましょう。

住宅ローン変動金利型の5年ルールと125%ルール

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住宅ローンの変動金利型の特徴に、5年ルールと125%(1.25倍)ルールがあります。変動金利型を選択する場合、金利が上昇した場合の対応を考えておきたいところです。

単に変動金利型を選べば、固定金利型に比べ借入金額が増える、毎月の返済額が減る、という効果が得られますが、返済額が増えることのリスクを十分に理解しておかなければなりません。

そこで今回は、変動金利型の特徴である2つのルール、5年ルールと125%ルールについて解説していきます。

住宅ローン変動金利型の5年ルール

住宅ローン変動金利型の5年ルールは、5年間は毎月の返済額を変更しないというものです。変動金利型の場合、急激に金利が上昇する可能性もあり、5年ルールがなければ突然返済額が上昇し、家計に大きな影響を与えかねません。そこで急激に返済額が上昇しないよう、5年ごとに返済額を見直す決まりです。

毎月の返済額が急に上昇しないことはメリットですが、本来払うべき利息を支払っていないことになりますので、未払い利息として後日支払はなければなりません。最終的に完済時に一括で支払うこともあります。

住宅ローン変動金利型の125%ルール

125%ルールは5年ルールと同じく急激に毎月の返済額が上昇しないよう設けられている決まりで、毎月の返済額を上げる場合でも125%以内にしなければならないというものです。たとえば毎月の返済額が10万円なら、12.5万円までしか上げられないということです。

5年毎の返済額見直しでも125%以内というルールがあるため金利上昇による家計への影響は抑えれていますが、5年ルールと同様、本来支払うべき利息はあとで支払うことになります。

5年ルールと125%ルールをもう少し詳しく解説

5年ルールと125%ルールについては、先ほどの説明だけ理解していれば十分ですが、ここからはもう少し詳しく2つのルールについて解説しておきます。

ルールが適用されるのは元利均等返済のみ

住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。元利均等返済は、元金と利息の合計額が毎月同額、元金均等返済は元金が毎月同額です。元金均等返済の利息額は毎月変動し、変動額に上限はありません。つまり、ルールが適用されるのは元利均等返済のみとなります。

5年ルールにおける金利の見直し時期

変動金利の見直しは、4月1日と10月1日を基準日とするのが一般的です。4月1日を基準日として決まる新しい金利は6月の返済日の翌日から(つまり7月の返済から)、10月1日を基準日として決まる新しい金利は12月の返済日の翌日から(つまり翌年1月の返済から)適用されます。5年ルールが適用されますので最大5年間、返済額は変わりませんが、実際にはこのような日程で金利の見直しが行われています。

さて5年ルールは、借入後5回目の10月1日を基準日として借入金利の見直しが行われます。10月1日時点の借入金額、ローン残高、残存期間、未払利息をもとに新たに返済額が計算され、12月の返済日の翌日から適用されます。つまり新しい金利が適用されるのは1月の支払いからとなります。

※基準日や新金利適用時期は金融機関によって異なります。

125%ルールにおける金利の見直し時期

5年毎に金利の変動により返済額が変更される可能性がありますが、返済額が上昇する場合は125%を超えることはありません。見直し時期は5年ルールと同様です。また金利が引き下げられた場合は制限がなく、金利低下に合わせて返済額が減少されます。

借入金利が引き上げられると利息額は増える

借入金利が引き上げられると、元利均等返済では元金と利息の合計額は等しくなければなりませんので、返済額に占める利息額が増え、その分元金の返済額は減ります。返済できなかった元金は次回以降に回され、金利の上昇が続き、元金の返済が遅れると最終的には完済時に一括で返済することになります。

借入金利が引き下げられると利息額は減る

反対に、借入金利が引き下げられると返済額に占める元金の額は増えます。元金の減りが早まります。5年毎の見直し時期までは完済日が繰り上がる状態が続きますが、5年毎の再計算で完済日は契約通りに戻ります。ただ最終回で借入金利の引き下げが行われた場合は当初の完済日より早くなることがあります。

未払利息が発生すると次回は未払利息から返済する

借入金利の引き上げで未払利息が発生すると、次回以降の返済に充当されることになりますが、充当順は、未払利息、当月の利息、元金の順となり、返済額に占める元金の割合は少なくなります。ただ未払利息に対して新たな利息は付かず、元金とは別に管理されます。

借入金利の引き上げが続いたり、引き上げ幅が大きすぎたりすると完済日でも返済しきれないことがあります。この場合は完済日に毎月の返済額に加算して一括で返済することになります。

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都市銀行
 金融機関  項目
 みずほ銀行 適用
 三菱UFJ銀行 適用
 三井住友銀行 適用
 りそな銀行 適用
 三菱UFJ信託銀行 適用
 三井住友信託銀行 5年ルールは適用、「変動プラン」は上限の制限なし、「上限プラン」はあらかじめ指定した金利を上限とできる。
ネット銀行等
 金融機関  項目
 イオン銀行 適用
 じぶん銀行 適用
 新生銀行 5年ルール、125%ルールとも適用なし
 住信SBIネット銀行 適用
 ソニー銀行 5年ルール、125%ルールとも適用なし
 楽天銀行 適用

※各金融機関の住宅ローン商品概要説明書で確認しております。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。

住宅ローン変動金利型の5年ルールと125%ルールまとめ

今回は5年ルールと125%ルールについて解説しましたが、変動金利を選ぶ場合、5年後に金利が上昇した場合の対応を考えるというよりも、変動金利を選ぶ時点で、金利が上昇した場合の対応を考えておかなければなりません。2つのルールを含めた変動金利の特徴を理解し、金利タイプの選択に役立ててください。

住宅ローンの返済方式(タイプ)元利均等返済と元金均等返済

住宅ローンの選び方 情報を収集・知識を身に付ける
この記事を読むのにかかる時間:032

元利均等返済と元金均等返済

金融機関によっては元利均等返済と元金均等返済を選ぶことができますが、元利均等返済しかない金融機関もあり、ほとんどの人が元利均等返済を選んでいると思います。ここでは元利均等返済と元金均等返済の特徴について解説し、各金融機関の状況を確認していきます。

元利均等返済

元利均等返済は、元本と利息を合わせた額が毎月同額である返済プランです。返済額が一定なので、支出計画が立てやすいメリットがあります。ただ他の借入条件が同じ場合、元金均等返済より総返済額は多くなります。

元金均等返済

元金均等返済は元本部分だけ均等で、利息は借入当初は多く、徐々に減少する返済プランです。借入当初の返済額は多くなるため、負担が大きくなりますが、返済計画を立てておけば対応できるでしょう。総返済額は元利均等返済より少なくなります。

この記事を読むのにかかる時間:026

返済タイプを選べる金融機関

都市銀行
 金融機関  元利均等返済と元金均等返済
 みずほ銀行 毎月元利均等返済・毎月元金均等返済
 三菱UFJ銀行 元利均等返済方式・元金均等返済方式
 三井住友銀行 元利均等返済のみ
 りそな銀行 元利均等返済のみ
 三菱UFJ信託銀行 元利均等返済方式と元金均等返済方式
 三井住友信託銀行 元利均等月賦返済・元金均等返済
ネット銀行等
 金融機関  手数料タイプ
 イオン銀行 毎月元利均等返済
 じぶん銀行 元利均等返済と元金均等返済
 新生銀行 元利均等返済のみ
 住信SBIネット銀行 元利均等返済と元金均等返済
 ソニー銀行 元利均等返済のみ
 楽天銀行 元利均等毎月返済と元金均等毎月返済

住宅ローン借入先の選び方

この記事を読むのにかかる時間:66

自分に合った住宅ローンの選び方を解説しています。誰しも住宅ローンの借入先をどこにするか悩むと思いますが、住宅ローンを選ぶためには、知識(情報)、判断材料が必要となります。

知識(情報)と判断材料が不足していると借入先を決めにくく、また自分に合った住宅ローンを選べない可能性が高くなります。

知識には中立性が必要で、多くの情報サイトでは知識の中に考え方を混ぜているため正しい判断がしにくくなっているのではないでしょうか。また住宅ローンの知識に偏っており、ライフプランを中心として判断材料の充実が必要となります。

この記事では、住宅ローン[新規]の選び方の目次として、知識(情報)、判断材料が書かれた記事へのすべてのリンクを掲載しています。

住宅ローン[新規]の選びの目標・目的

ここでは新規の住宅ローンの選び方について解説していきます。自分に合った商品の前提として、費用負担が軽い住宅ローンの選び方が中心となります。住宅ローンの絞り込みまでを順を追って解説していきます。最終的な目標は自分に合った商品を選ぶことですが、具体的には総支払額ができる限り少なくなる借入先を選ぶことを目標・目的とします。

目標:仮審査に申し込む金融機関を3行ほどに絞り込む
総支払額が少ない金融機関:1~2行
総支払額が妥協できる範囲の金融機関:1~2行

住宅ローンの情報を集める中で、年収の割に借入金額が少ない人は総支払額が少ない金融機関のみでも構わないでしょう。ここで仮審査までに3行に絞っている(3行ほど残している)のは、審査などで希望通り借りられなかった場合に備えるためです。金利や諸費用だけで選ぶと審査結果は変わらない可能性がありますので、総支払額以外の選考理由でも選んでおきましょう。

借入条件の理想

住宅ローンの負担を減らすためには、商品の比較のほかに、借入条件を有利にすることも重要です。次に挙げる条件を満たせないほど、返済の負担は大きくなります。できる限り、条件を満たせるようにしましょう。

・返済期間を短くする(20年未満など)
・融資率を下げる(価格の1割~2割程度の頭金を準備)

これらは早めに住宅取得のための資金準備をしておかなければならないもので、「住宅が欲しい」と思ってからでは遅いため、「理想」としています。無理のない借入ほど有利になる金融機関がありますので、準備が十分であるほど家計への負担は軽減できます。一生で稼げるお金は限られていることを考えると、できる限り有利な条件で借りたいところです。

ただ準備をしてこなかった人が無理して条件を満たそうとすると逆に家計への負担が大きくなることがあります。つまり1年や2年程度の準備期間では対応できない借入条件は無視することになります。

また住宅取得までに十分な準備期間が必要です。慌てて購入(建築)すると十分な検討ができず、不要な負担を強いられるかもしれません。不動産取引でトラブルになる可能性もあります。初めての住宅だからこそ、必要となる知識や情報を収集し、無理のない借り入れをしたいものです。

住宅ローンを選ぶ3つのステップ

住宅ローンについてお悩みの方は、借入先を絞るにあたり、不足している点があると考えています。金融機関に相談する前に、「不足点」を補う必要があるでしょう。住宅ローンを選ぶにあたり必要なことは、「知識の習得」「商品性の理解」「判断材料の収集」の3つです。知識の習得と商品性の理解は「知識(情報)」としてまとめています。これらは商品を絞る込む際に必要な情報で、いずれかが不足していると「悩み」になります。「知識(情報)」と「判断材料」をもとに借入先の比較検討をし、絞り込みを行います。

・必要最低限の知識を身に付ける。
・判断材料をできるだけ収集する。
・比較検討して絞り込む。

商品を比較検討する前に、この3点について理解し、商品を選びやすくしておく必要があります。3つのステップを解説する前に、重要な要素である「知識と情報」、「比較と検討」について紹介しておきます。

比較と検討

脚色のない情報と客観的な知識があれば、正しく比較と検討ができます。比較検討する際には、正しい商品知識と十分な判断材料が必要です。

ただほとんどの情報サイトでは、文字数が一定以上ないとSEO対策上よくないため、知識に加え、筆者やサイトの考え方を含めており、その知識をもとに正しい判断がしにくくなっています。このサイトでは、「知識(情報)」の記事には私の考えを含めず、コラムにて考えを紹介しています。

・これまで取得した情報と知識が正しいか確認する
・新たに得た情報や知識が正しいか確認する
・相談で良い商品を勧められても条件が変われば比較と検討をやり直す
・ネット情報から必要な情報を判断材料として抜き出す
・相談ではひと呼吸おいて行動する
・比較と検討がしにくければ、さらなる判断材料を探す
・必ずしも安ければいいというわけではない

選択肢を絞る

選択肢を絞る際にも、十分な注意が必要です。これまで得た情報や身に付けた知識が正しくなければ、自分に合った商品を排除してしまう可能性があるためです。

・選択肢から外す際、理由付けをする
・物事を鵜呑みにしない
・3つ程度までに絞り込む
・絞り込んだ選択肢のデメリットを徹底的に探す。

STEP1 知識を身に付ける

借入先は、ある程度の知識があると絞り込みやすくなります。知識は少しずつ身に付けるものですので、住宅探しや借入先候補の絞り込みをしている途中でも知らないことは出てくるでしょう。ここでは最低限必要な知識でなるべく早めに知っておいた方がいい知識をまとめておきます。

知識には各金融機関の住宅ローンの特徴を知ること、金利や手数料体系などの情報が含まれます。このサイトでは、知識(情報)の印が記事の上部に示されています。

可能な限り借入先候補を挙げる

自分に合った借入先を選ぶ際にまず避けたいことは、先入観で商品を絞り込んでしまうことです。ご自宅や転居予定の地域にどのような金融機関があるかピックアップします。また住宅ローンには審査がありますので、必ずしも希望通りの総支払額の少ない金融機関で借り入れられるとは限りません。選択肢を狭めないためにもまずは幅広く探しましょう。

・都市銀行 ・地方銀行
・JA ・労金 ・共済
・ネット銀行等
・勤務先で提携している銀行
・企業が提携している銀行

STEP2 判断材料を集める

判断材料は、得た知識(情報)をもとに自分に合った住宅ローンを見つけるためのものです。このサイトでは、判断材料の印が記事の上部に示されています。

ある程度の知識はネット上で得ることができます。知識は借入先を探している間にも得ることができるでしょう。ただ数多くある情報の中には偏った情報もあります。多くの情報発信者は「販売者側」だからです。基本的にこのような情報発信がダメだとは考えておりません。どの情報を信じ、どの情報がご自身に合っているかを見極める必要があります。

これから借入先を探そうとしている人が重視すべきことは客観的な判断材料を十分に集めることです。どちらか「迷う」場合、判断材料が不足している可能性があります。

判断材料は大きく分けて、内情報と外情報があります。内情報は家計の現状と将来の予測です。外情報は借入先の情報、金利の動き、税制などです。住宅ローンの仕組みを理解するために、外情報を中心に情報を求めがちですが、将来の家計を把握しておかなければ、自分に合った商品を選ぶことはできません。たとえば、「借入先としてオススメはこの金融機関です」「このような人は固定金利がおすすめ」「この物件は今が買い時です」等、挙げると切りがありませんが、全て外情報のみの判断です。加えて、この外情報に販売者側の意図が含まれているため、正しい判断が難しくなっています。

ライフプランを作成する

住宅ローンを考えるとき、多くのかたが「こんなに借りて大丈夫か」と心配になるでしょう。そのような場合、「住宅は資産として残りますから大丈夫ですよ」「今買わないと同じような物件に巡り合わないかもしれませんよ」という言葉で購入や建築を決断するかたもいらっしゃるようですが、肝心の心配事は解消されていません。心配なかたほどライフプランを作成し、住宅ローンによる家計への影響を確認しましょう。ライフプラン作成による効果は次のとおりです。

ライフプランの作成で得られる効果
・家計に合った借入金額や毎月の返済額がわかる
・変動金利型か固定金利型かの選択がしやすくなる
・他の支出を考えたバランスの良いローンを組める

STEP3 候補を絞り込む

「知識(情報)」と「判断材料」が十分であれば、候補の絞り込みは難しくないでしょう。これまでの過程ですでに絞り込まれていると思います。

ここから借入先を絞り込みますが、住宅探しの最中に借入条件を変更することもありますので、最終決定ではありません。以降も柔軟に対応する必要があります。ただ借入条件の変更は欲しい物件の価格が予算オーバーだから行うのではなく、判断に必要な知識が欠けていたために借入先の絞り込みが不十分だった場合に行います。

また銀行と提携している企業は1部上場企業など一部の企業に勤めているかたに限られるでしょう。情報は早めに入手できると思いますので、シミュレーションをして利用するか判断します。不動産販売会社などが提携している金融機関は住宅探しを始めなければ判断することができません。個人で借りるより金利など優遇されることがあります(元々の金利が高ければ優遇されても選択肢を絞り込む過程で除外します)。

まとめ

自分に合った住宅ローン選びには、「知識(情報)」「判断材料」が必要で、これらをもとに借入先を決めていきます。ほとんどのサイトでは住宅ローンの情報提供に限られていますが、大切なことは家計の分析です。家計の分析は判断材料に含めていますが、家計の状況を知らなければ、いくら住宅ローンの商品に詳しくても自分に合った住宅ローンを選ぶのは難しくなります。

このサイトでは、ご家庭自ら、自分に合った住宅ローンを選ぶためにはどのようにすればいいかを解説していますので、参考にしてください。

住宅ローンの金利タイプの特徴

住宅ローンの選び方 情報を収集・知識を身に付ける
この記事を読むのにかかる時間:148

固定金利型と変動金利型、金利タイプの特徴

住宅ローンの金利タイプには変動金利型、全期間固定金利型、固定金利期間選択型がメインとなります。これらのほかに、変動金利型と固定金利型を組み合わせたミックス型もあります。全期間固定金利型でも「フラット35S」のように当初10年間(又は5年間)は金利が優遇され、期間満了後に上昇するタイプもあり、全期間固定金利型でも要件を満たせば優遇される商品もありますが、基本は全期間固定金利型となります。

変動金利型

変動金利型は借入後も金利が変動するタイプで、半年ごとに見直されます。ただ見直し時にルールがあり、金利が上昇しても5年間は返済額を変えない5年ルールや返済額を上げるにしても以前の返済額の1.25倍以内とする1.25倍ルールがあります。新生銀行などこのルールを採用していない金融機関が一部ありますが、ほとんどこのルールを採用しています。

変動金利型のデメリットは、返済期間中に金利が上昇することです。このリスクさえ気にならなければ借り入れ当初の金利が低いため、上昇しなければ元金を早く返済できる、より多くの金額を借り入れられる、返済額がおさえられるなど多くのメリットがあります。これらのメリットがあるため、金利上昇リスクへの不安があるものの、変動金利型を選択する人が多いのではないでしょうか。

変動金利型の金利上昇リスクを見て見ぬふりすることはできません。実際に金利が上昇すれば、借り換えなど対応することができますが、借入前にできることはしておきたいところです。闇雲にリスクを恐れていても仕方がありません。金利上昇リスクはどのようなものか、数値化して確認することが大切です。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、フラット35が代表的な商品で、借入期間中、金利が変動しない金利タイプです。金利が変動しないため、返済額が一定ですが、他の金利タイプと比較し、総返済額は最も多くなり、元金の減りが最も遅くなります。

フラット35には「買取型」と「保証型」があり、仕組みが全く異なりますので、別商品としてとらえておきましょう。ほとんどの金融機関で取り扱う「買取型」は金利の範囲が決まっていますので、どの金融機関も最低金利に集中しています。ところが「保証型」は金融機関が独自に決められますので、競争力の高い商品にすることができます。

またフラット35以外の全期間固定金利型を扱っている金融機関は都市銀行などに限られています。フラット35に負けない金利を設定している可能性は少ないですが、念のため確認しておくといいでしょう。

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型は、借入当初の金利を、固定2年、固定3年、固定5年、固定10年、固定20年などから選び、期間終了後にもう一度金利タイプを選びます。期間終了後に変動金利を選ぶこともできます。また選択できる期間は金融機関によって異なり、都市銀行は種類が豊富です。ただ固定金利期間選択型では固定10年が変動金利型に近い金利を設定している金融機関が多く、選びやすい金利タイプとなっています。

住宅ローン残高が多い期間に変動金利を選択して金利が上昇すると利息負担が大きくなります。そこで借入当初10年間を固定にしておくことで金利変動リスクを回避しつつ、10年後の金利状況を見て、固定金利型か変動金利型かを選択することができます。ただ期間終了後は金利の引き下げ幅が縮小されますので、シミュレーションをして確認しておく必要はあります。

住宅ローン団体信用生命保険に特約を付けるか、自分で保険を探すかの判断材料

自分に合った商品の選び方・絞り込み
この記事を読むのにかかる時間:518

住宅ローンの借入先を探す際、金利や諸費用など住宅ローン自体の商品性を検討しなければなりませんが、団信や火災保険などの保険についても考えなければなりません。

一般的な団信は金利の上乗せはなく、金融機関が保険料を負担しますが、保障を充実させたい場合には金利の上乗せがあり、負担が増えることになります。

そこで今回は、団信に特約を付けるか、保険を自分で探すかなどの判断材料について解説していきます。

住宅ローン特約付き団信の商品一覧

特約付き団信に加入するかどうかを考える前に、主な金融機関でどのような特約付き団信を扱っているか、確認しておきましょう。

この記事を読むのにかかる時間:19

団信の特約一覧(一般の団信・ワイド団信除く)

都市銀行
 金融機関  特約と保険料
 みずほ銀行 ・8大疾病補償プラス、8大疾病補償:保険料支払型
※中途解約可能
・がん団信:年0.15%上乗せ
 三菱UFJ銀行 ・7大疾病保障(3大疾病保障充実タイプ):年0.3%上乗せ
・7大疾病保障(安心の保険料タイプ):保険料支払型
 三井住友銀行 ・8大疾病保障:年0.3%上乗せ
・8大疾病保障(+日常のケガ・病気保障+奥さま保障):年0.4%上乗せ
・自然災害時返済一部免除(約定返済保障型):年0.1%上乗せ
・自然災害時返済一部免除(残高保障型):年0.5%上乗せ
 りそな銀行 ・特定状態保障:年0.3%上乗せ
 三菱UFJ信託銀行 ・7大疾病保障(3大疾病保障充実タイプ):年0.3%上乗せ
・7大疾病保障(安心の保険料タイプ):保険料支払型
 三井住友信託銀行 ・全入院保障付八大疾病保障(充実プラン・100%給付型):年0.3%上乗せ
・全入院保障付八大疾病保障(充実プラン・50%給付型):年0.15%上乗せ
・八大疾病保障(ライトプラン・100%給付型):年0.2%上乗せ
・八大疾病保障(ライトプラン・50%給付型):年0.1%上乗せ
・八大疾病保障(ガン診断一時金付・100%給付型):年0.2%上乗せ
・八大疾病保障(ガン診断一時金付・50%給付型):年0.1%上乗せ
ネット銀行等
 金融機関  特約と保険料
 イオン銀行 ・8疾病保障プラス:年0.3%上乗せ
・居住不能信用費用保険:年0.05%上乗せ
・ガン保障特約:年0.1%上乗せ
 じぶん銀行 ・がん50%保障:金利上乗せなし
・がん100%保障:年0.2%上乗せ
・11疾病保障:年0.3%上乗せ
 新生銀行 ・安心保障(所定の要介護状態):全安心パック
・自然災害時債務免除:安心パックS
 住信SBIネット銀行 ・全疾病保障:金利上乗せなし
・全疾病保障・ガン診断給付金付(女性限定):金利上乗せなし
 ソニー銀行 ・3大疾病保障:金利上乗せなし
 楽天銀行 ・全疾病:金利上乗せなし

一覧を見ますと、「3大疾病保障特約」までは無料としている金融機関が多いことが分かります。「がん保障付き」「全疾病保障付き」「就業不能保障付き」など補償範囲が広がるほど金利に上乗せする金融機関が増えますが、無料としている金融機関もあります。

特約付き団信を希望する場合は、団信を含めて検討しなければなりませんので、複雑に感じるかもしれません。

特約付き団信の加入パターン

特約付き団信について考える場合、次のパターンに分けられます。
・金利上乗せのない団信から選ぶ(自分で保険は探さない)。
・金利上乗せのない団信から選ぶ(必要であれば自分で探す)。
・金利上乗せのある団信を含めて検討する(自分で保険は探さない)。
・金利上乗せのある団信を含めて検討する(必要であれば自分で探す)。

金利上乗せのない団信は、金融機関が保険料を負担していますので、自由に選ぶことはできません。フラット35や一部の金融機関を除き、住宅ローンの融資には団信の加入が条件となっていることからも(保険会社の審査に通れば)自動的に付加される保険です。金利上乗せはありませんので、特段、絶対加入したくない保険会社ではない限り問題ないでしょう。

「自分で探す」とは、金利上乗せがある特約部分の保障を、自分で保険会社から選ぶかどうかです。特約部分の保障が必要であれば、「自分で探す」かどうかの判断が必要となります。最初に「自分で探す」と決めておく必要はなく、「いい商品があるなら」程度でも構いません。

加入パターンごとの判断

団信に特約を付けるかどうは次の加入パターンがありました。

・金利上乗せのない団信から選ぶ(自分で保険は探さない)。
・金利上乗せのない団信から選ぶ(必要であれば自分で探す)。
・金利上乗せのある団信を含めて検討する(自分で保険は探さない)。
・金利上乗せのある団信を含めて検討する(必要であれば自分で探す)。

一つひとつどのように判断していくか見ていきましょう。

「金利上乗せのない団信から選ぶ(自分で保険は探さない)」
4パターンのうち、最もシンプルで、住宅ローンの借入先探しがしやすい方法です。金利上乗せのない団信から選びますので、シミュレーションする際に金利で迷うことが少なく、また住宅ローンを組むことによる保障を充実させることもないため、自分で保険を探すこともありません。

「金利上乗せのない団信から選ぶ(必要であれば自分で探す)」
金利上乗せのない団信から選ぶ場合、金利や諸費用で比較することになり、団信は借入先探しのポイントにはなりません。ただ、「必要であれば自分で探す」ことから、住宅に限らず、必要な保障を得られる保険を探さなければなりません。住宅探しが落ち着いてから保険を探すことができるため、まずは借入先探しに集中することができます。

「金利上乗せのある団信を含めて検討する(自分で保険は探さない)」
金利上乗せのある団信を含めて検討するため、幅広く比較検討することになりますので、選定に時間がかかるかもしれません。ただ住宅についての保障は団信に絞るため、つまり自分では保険を探さないため、借入先探しに集中することができます。シミュレーションする際には金利を上乗せすることを忘れないこと、また保障の異なる団信を比較することに注意しましょう。

「金利上乗せのある団信を含めて検討する(必要であれば自分で探す)」
借入金額にもよるが、金利上乗せのある団信や一般の保険を含め、幅広く探したい人です。選択肢は最も広がりますが、借入先を決定するまで時間と手間がかかります。今のところ何も決まっていない人もこのパターンに該当します。時間と手間はかかりますが、負担が最も軽くなる可能性があり、必要な保障をしっかり得られるパターンです。

金融機関の団信に加入する意味

一般的に団信は団体割引が適用されていますので、全く同じ商品を比べると保険料は割安ですが、保険会社を選ぶことはできないため、他社比較で安くなるとは限りません。また保険会社が選べないことから選択肢はほとんどなく、自分で保険を探さして情報を得ない限り、保険料が高いか安いかも分からないでしょう。

また団信は住宅ローン部分のみとなりますので、ご家庭のリスクをすべてカバーできるわけではありません。たとえばがん保障付き団信に加入しても、保障されるのは借入金額部分のみとなります。返済が終わればがん保障もなくなりますので、年齢を重ねるほど疾病の可能性が高くなるがんに対応できるわけではありません。とはいえ、住宅ローンの返済がなくなったり、減ったりしますので、団信が無駄だとは言えません。住宅ローンを利用するしないに限らず、ご家庭にどのような保障が必要なのかを考えておく必要があります。

自分で保険を探す時間や手間を考えると金融機関の団信に加入した方がいいと考える人もいらっしゃると思います。この場合でも、自ら探した場合、保険料にどのくらい違いがでるか確認しておくとより納得できる判断ができると思います。

特約付き団信の保険料はいくらなのか?

特約付き団信のなかには、保険料支払型があり、年齢や返済期間によって異なりますが、特約付き団信の保険料が分かる商品もあります。保険料が分かれば、自分で保険を探す際に比較することができます。

ただほとんどの特約付き団信は金利上乗せ型で、保険料は計算しなければわかりません。単純に「借入金額✕上乗せ金利」で求められませんので注意が必要です。特約付き団信の保険料を求めるためには、次の式で計算しなければなりません。

・特約がない金利で利息総額を出す(A)。
・特約付き団信の金利を上乗せした場合の金利総額を出す(B)。
・(B)から(A)を引くと、特約付き団信の保険料総額が求まる。

また、保険料は住宅ローン残高によりますので、毎月少しずつ減少します。そのため、毎月の保険料のみを計算したい場合は、(A)と(B)のそれぞれの返済償還表を作成し、差し引く必要があります。

 

特約付き団信の保険料を計算してみた

先ほどの計算で特約付き団信の保険料を計算することができますが、エクセル関数を使えば、誰でも計算することができます。使用する関数は、
「=CUMIPMT(利率,期間,現在価値,終了期,開始期,支払期日)」
です。ただ、もう少し簡単に求めるためエクセルVBAで簡単な計算ツールを使い、特約付き団信の保険料を計算してみました。

たとえば、借入金額3000万円、返済期間30年、金利1.5%で金利上乗せが0.05%の場合、保険料総額は約26万円、初年度の保険料は1240円ほどとなっています。保険で代用する場合、団信の保険料を算出しておかないと比較できません。

自分で特約部分の保障にあたる保険を探す

一般的な団信や一部の特約の保険料は金融機関が負担していますので、金利上乗せして加入する特約部分の保障と比較するために、自分で保険を探します。まずはどのような保障が必要か検討してみましょう。

特約部分の保障にあたる保険は次のとおりです。
・医療保険
・がん保険
・就業不能保険
・介護保険 など

団信と一般の保険では保険期間が異なりますので、条件を全く同じにして比較することはできません。そのため、「返済期間中のみ、借入金額相当分のみ」より「必要な期間、必要な保障金額」を保険でカバーしたい場合に自分で探すことになります。条件が異なりますので、保険料が割安であるとはっきり分からない可能性があります。

フラット35など一般団信代わりの保険を探す

フラット35など、一般団信も任意加入となる住宅ローンがあります。一般団信が不要な人が利用できますが、必要な人でも一般団信を一般の保険で代用したい人も利用できます。

団信は住宅ローン残高がゼロになる保障ですので、保障金額は毎年減少します(保険料も減少します)。そのため、保障金額は右肩下がりの三角形になりますが、これに合うのが収入保障保険となります。

なお団信であれば住宅ローン残高に一致して減少しますが、一般の保険で代用する場合、完全に一致させることは難しく多少ずれが生じます。

また収入保障保険であれば一般団信の保険料より必ず安くなるわけではなく、保険会社や年齢によって異なります。団信の保険料は徐々に減少しますが、収入保障保険の保険料は一定です。そのため完済間近で解約少しでも負担を減らす方法もあります(完済間近の保障金額は小さい)。そのため、複数の保険会社を取り扱う乗合代理店で相談するといいでしょう。

まとめ

団信に特約を付けるかどうかの判断は、どのような保障が必要かを考え、自分で保険を探すかどうかによって変わります。保険は提案する保険募集人によってお勧めする商品が違いますので、できれば複数の代理店で相談して検討してみてください。