借り換えを行った場合の控除対象となる年末残高

この記事を読むのにかかる時間:10

原則、借り換えの場合、住宅ローン控除は受けられない

住宅ローン控除は、住宅取得のためのローンを対象にしており、ローンを完済するための住宅ローンは対象外です。しかし、一定の要件を満たせば、借り換えによる住宅ローンでも住宅ローン控除の適用を受けることができます。適用を受けるためには、借り換えによる借り入れであることが明らかである、かつ住宅ローン控除の適用要件を満たしている必要があります。特に新しい住宅ローンの返済期間が10年以上であることに注意しておきましょう。

借り換え時の年末残高の計算方法

住宅ローン控除は年末残高に控除率(1%)をかけて求めます。借り換えでは、借り換え前の住宅ローン残高よりも新しい借入金が多い場合と同額の場合、新しい借入金よりも借り換え前の住宅ローン残高が多い場合が考えられます。

・旧:借り換え前の住宅ローン残高
・新:新しい住宅ローンの借入金額

「旧」≧「新」

この場合、新しい住宅ローンの年末残高に控除率をかけます。

<例1>
・旧:2,000万円
・新:2,000万円
・新残高:1,900万円
⇒ 1,900万円×1%=19万円

<例2>
・旧:2,500万円
・新:2,000万円
・新残高:1,900万円
⇒ 1,900万円×1%=19万円

<例2>は、借り換えと同時に一部繰り上げ返済をした場合などに該当します。

「旧」<「新」

少し複雑ですので、例で解説します。

<例3>
・旧:2,000万円
・新:2,500万円
・新残高:2,400万円
⇒ 2,400万円×2,000万円/2,500万円×1%=19.2万円

<例3>は借り換え時の諸費用も含めれ借り入れた場合などが該当します。

念のためお近くの税務署に相談を

住宅ローン控除の要件を満たしているか、ご心配な方は、お近くの税務署などに相談し、控除が適用されるかどうか確認するようにしましょう。

住宅ローン借換先の選び方

この記事を読むのにかかる時間:254

住宅ローン[借換]の選びの目標

ここでは借換の住宅ローンの選び方について解説していきます。借り換えをする目的は人によって異なります。まずはなぜ借り換えするのか、目的を明確にし、目的を達成することができる金融機関を選びます。

目標:借り換えする目的を明確にする
(1) 総返済額を減らす。
   返済期間を短くする。
   毎月の返済額を減らす。
(2) 固定金利に借り換えて金利変動リスクを軽減する。
(3) 総返済額を減らすために、変動金利に切り替える。

一般的に借り換えする目的は(1)となりますが、リスクを軽減させるために(2)を目標とする人もいらっしゃるでしょう。目的によって借り換え先は異なりますが、新たに選択する金利タイプが変動金利であれ固定金利であれ、総支払額が最も少なくなる(借り換え効果が最も高くなる)ような金融機関を探すことになります。借り換えには審査がありますので、金融機関は3行ほどに絞り込み、審査結果を見て、最終的な判断をします。

目標;仮審査に申し込む金融機関を3行ほどに絞り込む
・借り換え効果の高い金融機関のみ

住宅ローンの情報を集める中で、年収の割に借入金額が少ないかたは総支払額が少ない金融機関のみでも構わないでしょう。ここで仮審査までに3行に絞っている(3行ほど残している)のは、審査などで希望通り借りられなかった場合に備えるためです。金利や諸費用だけで選ぶと審査結果は変わらない可能性がありますので、総支払額以外の選考理由でも選んでおきましょう。

住宅ローン[借換]を選ぶ3つのステップ

住宅ローンについてお悩みの方は、借入先を絞るにあたり、不足している点があると考えています。金融機関に相談する前に、「不足点」を補う必要があるでしょう。住宅ローンを選ぶにあたり必要なことは、「判断材料の収集」「商品性の理解」「知識の習得」の3つです。これらは商品を絞る込む際に必要な情報で、いずれかが不足していると「悩み」になります。

・必要最低限の知識を身に付ける。
・判断材料をできるだけ収集する。
・比較検討して絞り込む。

商品を比較検討する前に、この3点について理解し、商品を選びやすくしておく必要があります。

STEP1 知識を身に付ける

借入先は、ある程度の知識があると絞り込みやすくなります。知識は少しずつ身に付けるものですので、借入先候補の絞り込みをしている途中でも知らないことは出てくるでしょう。ここでは最低限必要な知識でなるべく早めに知っておいた方がいい知識をまとめておきます。

可能な限り借入先候補を挙げる

自分に合った借入先を選ぶ際にまず避けたいことは、先入観で商品を絞り込んでしまうことです。ご自宅や転居予定の地域にどのような金融機関があるかピックアップします。また住宅ローンには審査がありますので、必ずしも希望通りの総支払額の少ない金融機関で借り入れられるとは限りません。選択肢を狭めないためにもまずは幅広く探しましょう。

・都市銀行 ・地方銀行
・JA ・労金 ・共済
・ネット銀行等
・勤務先で提携している銀行
・企業が提携している銀行

▼これだけはおさえておきたい基礎知識




STEP2 判断材料を集める

ライフプランを作成する

もし借り換えの目的が「家計が苦しいため」であれば、家計の状況を把握するためにライフプランを作成してみるのもいいかもしれません。特に住宅ローンの借入時に作成していない人は作成することをお勧めします。ただ借り換え自体はライフプランがなくても、「総返済額を減らす」「毎月の返済額を減らす」ことが目的であれば家計の状況が良くなる場合だけ借り換えを実行しますので、借り換えの判断材料にはならないかもしれません。

▼合わせて読んでほしい記事

fp-choice.net
個別相談の経験に基づく「住宅ローンや保険の選び方」
住宅ローンの選び方や保険の選び方などをファイナンシャルプランナーが解説!

fp-choice.net
個別相談の経験に基づく「住宅ローンや保険の選び方」
住宅ローンの選び方や保険の選び方などをファイナンシャルプランナーが解説!

STEP3 候補を絞り込む

ここから借入先を絞り込みますが、借り換え効果が高い金融機関を選ぶことになります。借り換えをしてもよい基準を決めておき、基準を満たす金融機関で審査に通らなければ借り換えをしない、という選択肢も入れておきます。

▼借入先の絞り込みはシミュレーションで行う


住宅ローン[借り換え]借入先の選択肢

この記事を読むのにかかる時間:10

住宅ローン[借換]借入先の選択肢

借入先の候補は、人によって異なります。都市銀行やネット銀行等であれば多くの人が借入先の候補になりますが、地方銀行や信用金庫、農協や労金など地域がある程度限定されている金融機関があります。まずはこれら借り換え先の候補となる金融機関を洗い出しましょう。

住宅ローンの候補
・都市銀行
・ネット銀行等
・地方銀行
・信用金庫、信用組合
・農協や労金

具体的な借入先の候補

ここではより具体的な借入先の候補となる金融機関を挙げておきます。

都市銀行とネット銀行等

 分類  金融機関
 都市銀行  みずほ銀行
 三菱UFJ銀行
 三井住友銀行
 りそな銀行
 三菱UFJ信託銀行
 三井住友信託銀行
 ネット銀行等  イオン銀行
 じぶん銀行
 新生銀行
 住信SBIネット銀行
 ソニー銀行
 楽天銀行
 アルヒ株式会社
 財形住宅金融株式会社
 住宅金融支援機構

地方銀行などの地域金融機関

借入先の候補となる金融機関は都市銀行、ネット銀行等以外については地域によって異なります。金融庁が「都道府県別の中小・地域金融機関情報一覧」を公開していますので、こちらで候補をピックアップしておきましょう。

住宅ローンを検討する順番

基本的に金利が低く、諸費用の安い金融機関から検討すると効率よく選ぶことができます。借り換えの場合、ネット銀行等から検討するといいでしょう。ただ借り換えには審査がありますので、「いわゆる最もお得な金融機関=借り換え先」になるとは限りません。

住宅ローンを検討する順番
(1) ネット銀行等
(2) 一部の都市銀行・一部の地域金融機関
(3) その他

借り換えによる一般的な効果

この記事を読むのにかかる時間:053

借り換えによる一般的な効果

借り換えをする目的はいくつかあります。借り換えをした場合の効果を紹介していきます。

利息総額を減らす

住宅ローンを利用すると、借入金額、返済期間、金利によって利息が決まります。このうち、より金利の低い金融機関に借入先を変えることで、利息額を減らします。同時に、借入条件がよくなれば返済期間を短くすることができるため、退職前までに完済できるような借入条件に変更することもできます。借り入れ前後で金利タイプを変えない、変動金利型⇒変動金利型、固定金利型⇒固定金利型の借り換えが一般的です。

金利変動リスクを回避する

借り換えは利息総額を減らすことだけが目的になるとは限りません。変動金利型で借り入れており、金利上昇傾向にあれば、借り換えが金利変動リスクを回避する一つの手段になります。ただ変動金利型から固定金利型へ借り換えるため、一般的には金利が上がりますので、利息総額は増えます。

金利タイプの変更で金利をより低くする

返済が進むと、借入金額(ローン残高)が減るため、変動金利型を選んだとしても、金利変動による影響は減少します。そのため、固定金利型から変動金利型への金利タイプの変更で、さらに利息総額の軽減を目指します。市場の金利の減少幅が小さくても利用できます。

借り換えする目的を明確にする

借り換えをする目的をはっきりしておかなければ、固定金利型から変動金利型への借り換えのように金利変動によるリスクを負うことになるかもしれません。固定金利型から変動金利型への借り換えをする場合は、必ず金利が上昇したときの家計への影響もシミュレーションし、具体的に数値化して確認するようにしましょう。

借り換えに必要な費用

この記事を読むのにかかる時間:040

借り換えに必要な費用

借り換えは新しい金融機関に借り入れるため、新規の時と同様の諸費用がかかります。借り換えで必要な諸費用は次のとおりです。

・事務手数料
・保証料
・印紙代
・抵当権設定費用(登録免許税)
・抵当権抹消費用
・司法書士報酬

このうち、金融機関によって差が出るのが、事務手数料と保証料です。

事務手数料と保証料の仕組み

事務手数料は金融機関によって事務取扱手数料など若干名称は異なりますが、ローンを利用するにあたりかかる手続きの手数料です。一般的に、保証料のない場合は事務手数料が必要です。また、保証料が必要な場合でも、事務手数料が3万円程度かかる場合があります。

一方、保証料は金融機関が保証会社を利用する場合に必要となります。ネット銀行等では保証会社を利用しない場合が多いため、保証料はかからず、保証料と同水準の事務手数料がかかります。つまり、次のような組み合わせが考えられます。

・保証料+3万円程度の事務手数料
・事務手数料のみ

また、金融機関によって、支払方法が次のように異なります。

・金利に上乗せ
・借り入れ時に一括支払い

借り換えでも団信が必要か

この記事を読むのにかかる時間:027

ローン残高が減れば死亡によるリスクは減少する

死亡による金銭的リスクを必要補償額として保険でカバーしますが、住宅ローンの残高が減れば、返済に限って言えば、借入当初よりリスクは小さくなっています。借入当初は、30歳前後で将来の見通しを立てにくかったかもしれませんが、40歳台、50歳台になれば、ご夫婦の働き方を含め、ある程度、万一死亡した場合でも返済し続けられるかどうかの判断ができるでしょう。

借り換えでも団信が必要か

ほとんどの金融機関では一般の団信保険料は無料です。そのため、団信が必要かどうかの判断は、団信を充実させるかどうかの判断となります。金利が上昇しても保障を充実させるかどうかを決めなければなりません。医療保険やがん保険など、一般の保険に加入している人は、保険全体を見直し、無駄をなくすいいきっかけとも考えられます。