コラム

FPとしての立場

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私のファイナンシャルプランナーとしての立場

ファイナンシャルプランナーを名乗る方々は、企業内ファイナンシャルプランナーが最も多く、独立系でも特定の企業と提携するなど、立場は様々です。ここでは私のファイナンシャルプランナーとしての立場を紹介させていただきます。ご理解いただける個人の方や企業の方のお力になれることがあるかもしれません。

基本姿勢

原則として、商品販売をしない公正中立なファイナンシャルプランナーとして活動しています。かつて2年間、経験を積むため保険募集人として約30社の生損保商品を扱っていましたが、商品をあまり勧めなかったこと(営業成績が悪かったこと)もあり、組織変更時に辞めております。ただ募集人を通して貴重な体験ができ、より一層、「公正中立」を追求できるようになったと考えております。

「公正中立」を維持することは難しく、企業や特定企業を勧めるサイトからの情報が多いため、情報一つひとつを多角的に見る必要があります。どの情報も説得力がありますので、ちょっと油断すると情報に流されてしまいます。最低限の情報リテラシーは、FP試験を通して身に付いたと思っています。FP試験では家計に取りまくお金を中心とした知識を6分野に分けて問われます。そこで学ぶ知識は当然、「販売者側の意図」はありませんので、物事を客観的に考えることができます。

「公正中立」な立場だと生活者側の立場にも立たないことになるかもしれませんが、基本は生活者の立場に立って考えます。これまでの個別相談でもよく見受けられますが、偏った情報の影響を受けている場合があります。そのような場合には、物事をフラットに見てもらい、正しい判断をしてもらうために、アドバイスすることがあります。なお、住宅の取得や教育資金の準備方法など様々な選択をせまられますが、ご相談者の価値観や考え方を重視することが原則です。ネット情報を見ていると商品の良し悪しが優先されているように感じるかもしれませんが、考える順番が異なります。商品性は理解しておかなければなりませんが、難しいのはご相談者ににとってどのような方法がいいかを選んでいくことです。選びやすいように適切な判断材料を提供することも私の役目の一つだと考えています。

少し具体例を挙げますと、終身保険などの貯蓄性のある保険商品では支払保険料総額よりどのぐらい多く満期保険金や解約返戻金を受け取れるか返戻率が注目されます。保険会社のサイトをはじめ、比較サイトの数値はほんの一部の条件を元に「契約例」を示しているだけで、嘘ではないものの、閲覧者に「あてはまる」とは限りません。他社と比較して補償内容は同じで保険料が半分以下、広告費をかけていないため、公式サイト以外ではほとんど紹介されていない商品もあります。決して「隠れた商品」ではなく募集人であれば知っている商品ですので、良い商品を見つけるためには直接相談するのが一番です。ただ直接相談し商品を勧められると、本当にふさわしい商品かどうか悩まれることもあるでしょう。その場合に家計の状況やご家族の考え方に合わせてアドバイスしています。

住宅ローンで言えば、金利の高い金融機関もあれば低い金融機関もあります。多くの人が金利の低い金融機関を選ぼうとするでしょう。しかし金融機関では審査がありますので、必ずしも希望通りに行くとは限りません。金利の低い金融機関を前提にアドバイスするなど、最初からこちらで選択肢を絞ってしまうわけにはゆきません。結果的に金利の低い金融機関を選ぶ人が多くても、最初は公平に説明し、ご家族が納得して選べるように意識しています。

私がファイナンシャルプランナーとして心がけていること・目標など

・客観的な判断材料をもとに、皆さまが納得できる商品選択ができるようにする。
・私の価値観で選択肢をあらかじめ絞らないように注意する。
・販売者側を否定するのではなく、現状でどのようにご家庭が対応したらよいのかアドバイスする。

少し分かりにくいかもしれませんので、補足させていただきます。企業は営利目的で動きますので、メリットを強調するのはやむを得ないことです。見方によっては、商品や販売者側を否定的にとらえることもできます。しかし皆さまは、現状の中で商品選択などの判断をしなければなりません。情報量の少ない中、皆さまがどのように対応していくかが大切だと考えています。そのためには、保険や住宅ローン、投資信託、不動産投資などの特徴・商品性を理解し、企業がどのような営業をしているか、どのような立場で情報発信しているかなど把握する必要があります。

また結果的にAという商品を選んだとしても、Aだけを勧められて選択するのと、A~Eを比較してAを選択するのとでは意味が違います。たとえば「投資をしない」「自己投資」「株式投資」「不動産投資」など数ある選択肢の中から、リスクがあることを含めて「不動産投資」が向いていると判断する分にはいいですが、「不動産投資」を勧められて選択するのは検討不十分で失敗しやすいと考えています。さらに「不動産投資」を選択するにしても、複数の不動産投資会社を比較検討しなければ、適切な判断はできないでしょう。

正直、私の持つ知識はネットで探せば入手可能で、決して特別な知識を持っているわけではありません。「当たり前のことして言っていない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。最初は時間がかかるかもしれませんが、興味を持って調べていただければ判断できるようになると考えています。

ここまで全体像をお伝えしてきましたが、ここから分野別に考え方を紹介していきます。

「不動産投資」に対する立場

「サラーリマン大家」ということばをご存知の方は多いと思います。会社員や公務員などの給与所得者が働かなくても得られる所得「不労所得」を得られるよう、居住用不動産とは別に家賃収入を目的とした住宅を購入している方々が増えているそうです。

不動産投資は基本的に資産家が相続対策や税金対策のために行うものだと考えています。不動産という資産は相続時など状況によって優遇されていますので、それを活用できる立場にある人には向いているでしょう。本業で得た収入の行き場がない人向けです。このような方々は不動産だけでなく金融資産も多く保有しており、分散投資によりリスクを軽減しています。

では会社員はどうでしょうか。不動産投資で成功するためには、「事業として行う」ことが必要と考えています。1室や1棟を所有しているだけではリスク分散の点でもなかなかうまくいきません。少なくとも事業的規模(5棟10室)で投資をし、青色申告事業者になるなど税制的な優遇を最大限活かせる状況が必要です。このように考えますと、不動産投資は投資ではなく事業です。不動産投資を成功させるために働いていることになりますので、「不労所得」でもないでしょう。会社員が不動産投資で成功するためには、近い将来、不動産投資会社を設立できる経営者としての資質が必要です。

こう考えますと、不動産投資以外に得意な分野はないでしょうか。不動産業務が向いている、経験がある人でしたら選択肢になるかもしれませんが、経営者であれば何も不動産に絞る必要はありません。「不労所得」ということばが魅力的かもしれませんが、最初は趣味でも構いません、得意分野により磨きをかける自己投資をした方がよっぽど成功率は高いと考えています。現在、働いている業界にいる人しか知らないことは沢山あります。現在ある資源を活用出来る方法を考えた方が確実な気がしています。

FPスキルをブラッシュアップさせるため、不動産投資の本を通して情報収集することがあります。不動産投資をしている人(個人・経営者)が書いているのですが、あまり説得力がありません。以前読んだ本では、不動産投資の魅力を伝えるために、不動産投資と株式を比較していましたが、不動産投資のメリットと株式のデメリットに注目しているだけでした。また「不動産投資で○○円稼いだ」と題した書籍を見ると、不動産投資は素晴らしい投資であるように思えますが、ほとんどの本が経費を差し引いた所得(純利益)には言及しておらず、説得力がありません。不動産投資で失敗した、不動産投資をやめた人の数や状況が分かれば、もっと正しく判断できるでしょう。

不動産投資をして成功したかどうか、どこで判断するのでしょうか。不動産投資をしてよかったかどうかは、退職年齢ぐらいになると実感できるかもしれません。つまり現在、不動産投資している人が収入を得ていたとしても、今後も継続的に収入を得られるかどうかは不明です。景気の動向に合わせて、時には減価償却費の違いなどでメリットのある海外不動産の方に切り替える必要があるかもしれません。

誤解していただくないのですが、不動産投資会社や不動産投資(事業)自体を否定しているわけではありません。不動産投資会社等には専門的な知識と経験がございますので、不動産投資について学ぶことも非常に多いです。「お金」に関わることですので、どのような人が「不動産投資」に向いているか、様々な角度から考えているだけで、法改正など状況が変われば考え方も変わってきます。本当に不動産投資に向いている人に勧めているか、不動産投資に向いている人はどのような人か見極める必要があるでしょう。

不動産投資会社から、ファイナンシャルプランナーとしてセミナーを企画し、講師をしてくれないかというお声をいただくのですが、セミナーでは「不動産投資をやめた方がいい」という選択肢はとれない、デメリットよりメリットや不動産投資の特徴に割く時間が多い(均等ではない)と思いますので、お断りしております。

「不動産投資」に対する立場 まとめ

・原則、不動産の特徴を生かした、節税や納税対策なら良し。
・様々な選択肢から不動産投資(又は組み合わせ)を選ぶなら良し。
・少なくとも不動産は投資ではなく事業として行う(経営者になる)。
・事業であれば、不動産以外にもある。
・信頼できる不動産投資会社や仲介会社を探す(一括借り上げやシェアハウス投資など不動産に関するトラブルも多いため)。

「生命保険」に対する立場

保険は多くのご家庭でどのように選んだらよいか迷われている商品の一つだと思います。保険は銀行や証券会社が扱う株式や投資信託と同じで、販売者は手数料により収益を得ることができます。本当に皆様のために保険を勧めてくれたか、疑問に感じた方もいらっしゃるでしょう。

販売者側が「顧客優先」を掲げていても、客観的なデータなどがない限り完全に信用することはできません。実際にひどい事例を耳にすることもあります。教育費や居住費、退職後の生活費の次に支出額が大きくなりますので、決して軽視できません。

情報の非対称性はどうしても避けられません。しかし「わからない」「難しい」からと言って、言われるがままに加入していると、限られた大切な収入を無駄に使ってしまうことになりかねません。保険の専門家だけでなく、営業の専門家でもあります。どのような言葉で契約に至るか、どのような言葉に惹きつけられるか熟知しています。

保険には貯蓄性の高い商品もあります。本来、保険に加入する目的はリスクに対する金銭的な保障です。どうしても貯蓄性の高い商品を探しがちですが、まずはリスクを軽減できているか、新たなリスクを負っていないか考える必要があります。

個人差はありますが、どなたでも様々なリスクに対する不安は持っています。不安を煽って加入を促すような手法はいただけませんが、どのリスクにどのように対応していくか、家計の状況を見ながら考えていく必要はあります。

「顧客優先」で保険の販売をしている代理店は多いと考えています。信頼できる保険代理店を見つける必要があります。ただ販売者側に家計の状況を伝えて商品を勧めてもらうのは危険です。時間はかかっても家計の状況を見つめ直し、どこにどのくらい支出するかはご家庭で考えなければなりません。

保険業法の改正から、保険代理店に所属する保険募集人は社員となりました。今までは販売手数料の一部を代理店に支払っていたため、ノルマを設定していた代理店はありますが、必要な人に販売する余裕がありました。しかし社員となると、固定給だけでなく社会保険料の負担もあるため、代理店としても販売実績を重視するしかない状況です。このことが加入予定者に悪影響を与えなければいいのですが、今後の状況に注視する必要があります。

「生命保険」に対する立場 まとめ

・生命保険はリスクを軽減させる意味では必要だが、入りすぎには注意が必要。
・商品だけでなく代理店も比較することである程度選別することはできる。
・ライフプランは自分で作成すべき。
・リスクを軽減させることが目的にもかかわらず、新たなリスクを抱えてしまう契約は慎重に。

つづく

「住宅ローン」に対する立場

住宅ローンは金融機関が窓口ですが、住宅取得と関連するため、不動産販売会社や保険代理店なども関わってきます。

「住宅ローン」に対する立場 まとめ

「ライフプランニング」に対する立場

「ライフプランニング」に対する立場 まとめ

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