「中小企業に勤める人の1人当たり医療費」をグラフ化にしてみた
「医療給付実態調査」の数値は、総医療費です。そのため、このグラフでは「3割負担」としてより実感のわく金額に修正しています。医療費負担は年齢や所得により1割負担や2割負担もある点には注意が必要です。
1人当たり医療費は、「入院」「入院外(外来)」「歯科」「調剤」に分かれています。
「中小企業に勤める人の1人当たり医療費」からわかること
1人当たり医療費をみると、総計で154,513 円となっており、年齢階級別にみると、年齢とともに徐々に下がり20~24 歳で73,155 円と最も低くなった後、年齢とともに高くなっている。この傾向は診療種類別にみても大体同じであるが、歯科についてのみ5~9歳の1人当たり医療費が未成年の中で突出して高くなっている。
受診率も同様の傾向であり、受診率が高い年齢階級で1人当たり医療費が高い傾向にある。
1人当たり日数をみると、入院で0.67 日、入院外で8.57 日、歯科で2.70 日となっており、入院外が最も多い。
1日当たり医療費をみると、入院+食事・生活療養(医科)では年齢とともに徐々に下がり25~29 歳で最も低くなった後、45~49 歳までは年齢とともに高くなり、その後はほぼ一定だが65~69 歳からは少し低くなっている。歯科は年齢による差は小さい。
- 年齢とともに徐々に下がり20~24 歳で73,155 円と最も低くなる。
- 「20歳から24歳まで」からは年齢とともに高くなる。
- 「入院」よりも「入院外」のほうが1人当たり医療費は高い
- 「歯科」は年齢による差はあまりない。
「中小企業に勤める人の1人当たり医療費」からではわからないこと
- 平均在院日数
医療・がん保険の選び方・必要性について
「入院外(外来)」による医療費の負担を考えると、入院を伴わない手術も保険でカバーするかどうか検討する必要があります。なお一般に「歯科」は保険では対応しておりません(一部の治療を除く)。
この記事で使用した統計データ(医療給付実態調査)の紹介
医療給付実態調査の概要
出典 | 厚生労働省 |
統計名 | 医療給付実態調査 |
調査目的 | 医療保険制度加入者の受診や疾病等の状況を年齢別、疾病分類別等様々な切り口から観察し、医療保険制度の健全な発展のための基礎資料を得ることを目的とする。 |
調査対象 | 医療保険制度の全ての保険者(後期高齢者医療広域連合を含む。)に係る全ての診療報酬明細書及び調剤報酬明細書(医科入院、医科入院外、歯科、調剤)を対象とする。 |
調査時期 | 毎年四半期ごと(3月末日、6月末日、9月末日、12月末日) |
公表時期 | 年度分をとりまとめて、調査年度の翌年度末頃公表 |
備考
- 入院受診延日数は、推計新規入院件数(前月以前に退院した者が当月再入院した場合を含む)と推計平均在院日数(入院の1件当たり日数から算定した平均在院日数)の積に分解できる。
- 入院医療費は、「推計新規入院件数」(入院発生),「推計平均在院日数」(入院期間)及び「入院の1日当たり医療費」(入院単価)の3要素の積に分解でき、さらに、推計新規入院件数と推計1入院当たり医療費(推計平均在院日数に入院の1日当たり医療費を乗じて得た1入院当たり医療費)の積に分解できる。
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