死亡保険の選び方
死亡保険は、自分が死亡してしまうと、家族や親族が資金面の問題を抱えてしまうことを想定するときに検討します。もちろん、死亡保険に加入しないという選択肢もあります。ここでは、ある程度、死亡保険の必要性を感じている人向けに解説していきます。
県民共済・都民共済などの共済も選択肢に
保険の相談をする前であれば、商品選択の可能性は無限大です。しかし一度相談したり、偏った情報に触れてしまったりすると、気づかないうちに選択肢を狭めてしまっています。極端なたとえですが、ネットで検索して「死亡保険は貯蓄性もないとダメだ」というサイトばかりに触れるとどうでしょう。保険料をなるべくおさえたいと考えている人でも貯蓄性のある保険を選んでしまうかもしれません。
住宅ローンの選び方と共通する部分ですが、商品の良し悪しを調べる前に、どのような選択肢があるか出来るだけ洗い出しましょう。保険募集人が提案しないプランの一つに共済があります。共済には様々な種類があり、県民共済・都民共済のほか、コープ共済、JA共済などあります。共済には割戻金もあり、手頃な掛金で加入できますが、欠点もあります。
企業内の共済・福利厚生制度の利用も考える
公務員の相談時には、共済制度の確認をしています。公務員には利用できる共済(死亡保障や医療保障など)があり、一般の保険会社と比較しながら検討した方がいいためです。
このように、保険会社の商品のほかに、選択できる商品がないか探しておきましょう。
販売者(保険募集人)側の思惑と対応方法
基本的に保険募集人(保険代理店)は契約1件ごとに収入を得られます。得られる金額は保険料の額に比例しますので、掛捨型より貯蓄性のある保険の方が多くの収入を得ることができます。
複数の保険会社の商品を扱う保険代理店(乗合代理店)であれば3つほどの商品(または組み合わせ方)を提案すると思いますが、その中に手数料の高い商品は入っているでしょう。死亡保険であれば、終身保険が該当しますが、時期によっては変額終身保険や外貨建て終身保険が含まれているかもしれません。
「手数料の高い商品は自分に合った商品ではない」と言い切れませんし、顧客の情報を掴みきれていない初期段階で保険募集人は一般的な選択肢を提示したにすぎないかもしれません。ただ相談時の状況としては、明確な加入目的や方向性を伝えないと、自分に合った商品を提案してもらえない可能性があります。相談した募集人がどのような提案をしてくるか分かりませんので、そのことを踏まえ、ポイントを紹介しておきます。
・相談する前に、どのような選択肢があるか調べておき、あらかじめ検討しておく。
・毎月支払うことができる保険料の額(予算)を決めておく。
希望に関係なくリスクのある商品を勧めてくることもある
「変額終身保険」や「外貨建て終身保険」を選択するのにふさわしいのであれば問題ありません。人によっては、何となく保険で運用できないかと考えており、提案されて初めてこのような商品があることを知り、魅力を感じる場合もあるでしょう。保険募集人としても、顧客の要望をあまりつかめていない初期の段階だとこのような意味もあって提案しているかもしれません。ただこれらの商品性を理解しないまま、優先順位が低いにもかかわらず選んでしまわないようにするためには、あらかじめこのような商品を勧められる可能性があることを知っておき、興味がなければはっきりと断るようにしましょう。
死亡保険を比較検討する
死亡保険が不要である人を除き、一般的に子どもが生まれたことをきっかけに加入する人が多いのではないでしょうか(加入しなければならないというわけではありません)。死亡保険に加入する際のポイントは次のとおりです。
・掛捨型か貯蓄型か、併用か決める。 ・適切な必要保障額を算出する。
商品タイプの組み合わせ
死亡保険には掛捨型と貯蓄型があります。貯蓄型は解約した時に解約返戻金を受け取れるもので低解約返戻金型終身保険等が挙げられます。掛捨型は定期保険より収入保障保険の方が保険料は安くなりますので、併用する場合は、「収入保障保険+低解約返戻金型終身保険」を勧められるかもしれません。低解約返戻金型終身保険は年齢にもよりますが保険料は高くなりがちですので、最低限、葬式費用として加入する方法があります。必要保障額は末子誕生時に最大となり年々減少しますが、葬儀費用だけはいつ必要になるか分からず、減少する費用ではありませんので、低解約返戻金型終身保険で対応します。保険会社であればこのようなプランとなりますが、県民共済・都民共済や企業内の保険も忘れずに検討する必要があります。ただ共済の死亡保障は病気による死亡の場合、不足する可能性がありますので注意が必要です。
死亡保障を備えた保険の種類だけでも数多くあり、保険会社ごとに違いもあるため、選択肢は多いですが、多すぎて選べないのではないでしょうか。さらに複数の商品を組み合わせることもあるため大変です。基本的には一つひとつの商品について検討し、見積もりを依頼することになりますが、乗合代理店での相談はその面倒を省略することができます。
死亡保障がある保険の種類 ・終身保険 ・低解約返戻金型終身保険 ・定期保険 ・収入保障保険 ・養老保険 ・三大疾病保険 ・総合保険 ※必要な保障を組み合わせるタイプ ・変額終身保険 ・外貨建て終身保険 ・一時払終身保険 ・各種共済 ・引受緩和型終身保険 ・無選択型終身保険
死亡保険を扱う主な生命保険会社
ここで各保険会社がどのような保険を販売しているか見てみましょう。ざっとピックアップしただけですので、場違いな商品が入っているかもしれませんが、おおむね表のような商品があります。これだけの商品がありますので、保険料の差も出てきます。数十年単位で比べれば数百万円の差が出ることもあります。
また最近では対面だけでなくネットで加入できる商品が増えています。その場合、問い合わせで商品の特徴について確認できるものの、どの商品が自分に合った商品か不確定なまま加入するケースもあるでしょう。便利さをとると安くならない場合もありますので、注意が必要です。とはいえ、これからは対面相談ではなくネット経由で契約する人が増えてくると思います。自分に合った商品を選択するために、基本的な知識だけでも身に付けておきたいものです。
各保険会社の死亡保障がある商品
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