統計データ[子供の学習費調査/文科省]

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FPが様々な場面で根拠となる政府統計データを使って分析していきます。これまでは政府統計データであることだけを頼りに使用していましたが、調査の方法や統計学で使われる分析・検定方法などを勉強しながら駆使し、よりエビデンスベースドポリシーに準ずることができるよう分析能力向上の意味を込めて公開していきます。様々な統計データを分析する過程で、修正する可能性があります。データに対する考え方は様々ですので、ご意見をいただけると幸いです。

『子供の学習費調査』概要

出典 文科省
調査の期日・期間 隔年(偶数年):4月~翌年3月
分類 一般統計調査
標本抽出方法 多段階抽出法(?)・全数調査
リンク先 子供の学習費調査

子供の学習費調査 分析

 集計結果を見るにあたり、用語の確認は大変重要である。子供の学習費調査で使われている用語の定義はまとめられたファイルがあるので随時、確認する。
出典:文科省 「子どもの学習費調査」 用語の解説(項目別定義)
ちなみに、様々な項目について調査しているが、たとえば家庭教師を利用していない世帯は当然、「ゼロ」になるが、支出額が「ゼロ」となっても調査結果に含まれている。

 教育費についての記事を読むと、「一人につき1,000万円必要」と言われますが、これは家計のやり繰りをした結果の標本平均であり「1,000万円」という金額の中には、「支払わなければならない金額」と「必ずしも支払う必要はないが、余裕があれば支払う金額」が混ざっています。すると1,000万円が「必要」とは言えません。加えて、これは標本平均で、大都市の教育費と地方の教育費など様々です。つまり「1,000万円」という金額も検証する必要があります

学校種別の学習費

 公立・私立別の学習費がわかる調査です。調査では、学習費を「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」に分けています。「学校教育費」「学校給食費」は必ず支払わなければならない支出項目で構成されていますが、「学校外活動費」は家計のやり繰りで増減することができる支出項目です。それぞれ「かける教育費」「かけられる教育費」とし、「かけられる教育費」に計画性を持たせることで、教育費の負担が少しでも減らせるのではと考えています。
 支出項目の金額は、平均値ですので、外れ値の影響を受けやすくなっています。そのため、金額よりも学習費総額に占める「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」を見ると参考になるでしょう。


FPの現場から

 「学校外活動費」は灰色の部分です。灰色の割合が大きいほど、家計のやり繰りがしやすい、学習費の支出をコントロールしやすいことになります。全体的に「私立」より「公立」の方が支出のコントロールがしやすいと言えます。
 学習費で支出額が大きいのは大学ですが、高校までの支出額を上手くコントロールすることで大学費用の準備を効率的に行えます。つまり習い事などの支出額を減らす方法です。ただ教育は幼少期から行うことが重要(要調査)なので、総合的に考えると必ずしもいいとは限らないかもしれません。

「幼稚園」 学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費

 学年別・人口規模別の学習費で、「幼稚園」の学習費を分析してみます。資料には標準誤差率が記載されていますので、まずはそこから確認しましょう。
・学習費総額の標準誤差率は、
 公立幼稚園の3~5歳児では1.79~4.62%
 人口規模別では2.73~6.85%
 私立幼稚園の3~5歳児では3.01~3.83%
 人口規模別では3.18~7.32%
・学校給食費の標準誤差率は,
 公立幼稚園の3~5歳児では4.67~7.55%
 人口規模別では5.49~79.03%
 私立幼稚園の3~5歳児では6.48~7.00%
 人口規模別では8.48~19.09%
・学校外活動費の標準誤差率は
 公立幼稚園の3~5歳児では3.93~14.92%
 人口規模別では4.43~10.79%
 私立幼稚園の3~5歳児では3.99~6.11%
 人口規模別では5.39~10.19%

FPの現場から

 学習費総額の標準誤差率が5%以内である、「公立幼稚園の3~5歳児」「私立幼稚園の3~5歳児」は95%信頼区間に含まれると推定されます。母数は学校基本調査で調べて確認します。人口規模別の標準誤差率は5%を超えていますので、母平均は95%信頼区間に含まれないと推定されます。

公立・私立幼稚園 人口規模別学習費

人口規模を「5万人未満」「5万人以上15万人未満」「15万人以上」「指定都市・特別区」の4区分に分けた場合の、学習費の平均額を示しています。


FPの現場から

 学習費総額を見ると、人口規模に関係なく、私立幼稚園は公立幼稚園の3倍弱の金額です。このグラフから読み取れる顕著な違いは、公立幼稚園の学習費総額は人口規模では大きな差がないにもかかわらず、「指定都市・特別区」の学習費総額が高く、それは「学校外活動費」への支出が大きいことがわかります。私立幼稚園は、「学校活動費」も「指定都市・特別区」が他の人口規模に比べて高いですが、「学校外活動費」への支出も高くなっています。「学校外活動費」については、後日、さらに調べていく予定です。
※学習費総額の人口規模別は95%信頼区間に含まれていません。

学校外活動費

 学校外活動費に焦点を当てて分析してみます。分析の前に、学校外活動費の用語の定義について確認しておきましょう。学校外活動費は、補助学習費とその他の学校外活動費に分類されます。

補助学習費

  • 家庭内学習費(物品費): 学習机,いす,本棚,カセットテープレコーダー,パソコン(補助学習用)等の購入費
  • 家庭内学習費(図書費):参考書,問題集,辞書,百科事典,学習用カセットテープ・パソコンソフト等の購入費
  • 家庭教師費等: 家庭教師への月謝(謝礼),教材費また,通信添削などの通信教育を受けるために支出した経費
  • 学習塾費:学習塾へ通うために支出した全ての経費で,入会金,授業料(月謝),講習会費,教材費,通っている学習塾
    での模擬テスト代,学習塾への交通費
  • その他:予習・復習・補習のための図書館などへの交通費,公開模擬テスト代等

その他の学校外活動費

  • 体験活動・地域活動:ハイキングやキャンプなどの野外活動,ボランティア活動,ボーイスカウト・ガールスカウトなどの活動に要
    した経費
  • 芸術文化活動:ピアノ,舞踊,絵画などを習うために支出した経費,音楽鑑賞・映画鑑賞などの芸術鑑賞,楽器演奏,演劇活
    動などに要した経費
  • 芸術文化活動(月謝等):入会金,月謝等
  • 芸術文化活動(その他):入場料,交通費,物品費,図書費等で,楽器,楽譜帳,舞踊のみに使う衣類等
  • スポーツ・レクリエーション活動:水泳・野球・サッカー・テニス・武道・体操などのスポーツ技術を習うために支出した経費及びスポーツイベント等への参加費,スポーツ観戦に要した経費
  • スポーツ・レクリエーション活動(月謝等):入会金,月謝等
  • スポーツ・レクリエーション活動(その他):入場料,交通費,物品費,図書費等で,スポーツ用具の購入費や維持費等を含む
  • 教養・その他:習字,そろばん,外国語会話などを習うために支出した経費及び小説などの一般図書・雑誌購入費,博物館・動物園・水族館・図書館などへの入場料・交通費など
  • 教養・その他(月謝等):入会金,月謝等
  • 教養・その他(図書費):単行本,文庫本,全集,絵本等で,補助学習のために購入した場合を除く
  • 教養・その他(その他):入場料,交通費,物品費等で,補助学習のために購入した場合以外のパソコン,パソコン用ソフト等の購入費を含む
<学校外活動費 幼稚園>

FPの現場から

 学習費調査は、支出額がゼロでも含まれているため、項目別に確認したい場合は、詳細を確認しておく必要があります。この表は、学校外活動費(補助学習費・その他の学校外活動費)の内訳を示しており、一番下には支出者平均額が記載されています。この表から何らかの結論を導き出せるのかどうかが疑問です。「学校外活動費の標準誤差率は、公立幼稚園の3~5歳児では3.93~14.92%、人口規模別では4.43~10.79%、私立幼稚園の3~5歳児では3.99~6.11%、人口規模別では5.39~10.19%」といずれも95%信頼区間に含まれていないためです。分析項目だけは考えておきます。
・「補助学習費」よりも「その他の学校外活動費」の方が支出額は多いと言えるか。
・公立と私立ではどちらがより「学校外活動費」に支出しているか。
※もう少し統計学を勉強して検証できるようにしていきます(現状、どのように分析して良いか分かりません)。

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