統計データ[標準生命表/日本アクチュアリー会]

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『標準生命表』概要

種類 死亡保険用・第三分野用
利用目的 責任準備金の計算の基礎
※予定死亡率の計算の基礎ではない
出典 日本アクチュアリー会
『標準生命表2018』(詳細)
『標準生命表2018』(概要)

『標準生命表』詳細

作成過程

基礎データをもとに標準生命表を作成するが、その間、様々な補整が行われる。
(1) 基礎データ ⇒ 粗死亡率
  :若年齢部分の補整
(2) 粗死亡率 ⇒ 補正前死亡率
  :死亡率改善の反映
(3) 補整前死亡率 ⇒ 標準生命表
  :第1次補整 数学的危機論による補整
  :第2次補整 Grevilleによる補整
  :第3次補整 Gompertz-Makehamによる補整

「截断年数」は選択効果の除くための期間

基礎データは生命保険会社29社からの実績に基づくもので、実績データをもとに粗死亡率を作成する。作成過程を読むと、知らない用語がちらほらあるため、できる限り調べた。

観察年度は、2008、2009、2011年とある。調査の対象となる年度のことだろう。截断年数は、”選択効果を排除し、死亡率の安全性を確保するため、基礎データの截断を行った。截断年数は、截断後の契約件数が50%以上となるように、男女別・年齢群団別に1年截断~10年截断とした。”とあるが、截断年数の意味が分からなかった。

ニッセイ基礎研究所の基礎研レターが参考になる。ふつう、保険加入前に診査があるため、健康状態が基準に満たなければ加入できない(危険選択)。この危険選択の効果(日本アクチュアリー会では選択の効果と呼んでいる)がはたらくため、契約当初から数年間は保険事故は発生しにくい。そこで選択効果がある期間の経験データは截断し、截断期間後のデータを使用することで真の死亡率に近づけようとしている。
参考:ニッセイ基礎研究所「基礎研レター

截断の期間が長すぎるとすでに死亡していたり、解約していたりするため、截断後の契約件数が50%以上となるようにという基準がある模様。ただ「〔表2〕截断年数の設定 保険年度別粗死亡率 死亡指数」の見方が分からないため、もう少し調べる必要がある。〔表2〕のうち「截断年数別 截断後契約残存数」は理解できる。20~24歳の場合、截断なしなら契約数100%とあり、初年度を截断すると残存数は77%、2年度まで截断すると58%、3年度までなら42%と読み取れる。男女別・年齢群団別に設定するので、男性で20~24歳の場合は、3年度まで截断すると50%を切ってしまうため、截断期間は2年となる。またこの截断期間の上限を標準生命表2018では10年としている。

観測量は膨大で、母数に近いと考えられる

経過件数は男性4,068万件、女性3,0002万件、死亡件数は男性26.3万件、女性9.5万件とサンプルサイズから母数を推測するには十分な観測量と考えられる。ちなみに契約年数は30年以下、基本は有診査だが、17歳以下(男性)・27歳以下(女性)は観測量が他の年齢と比べて少なくなるため、無診査も含まれている。

95%信頼区間の上限

95%信頼区間は、「母集団から標本を取り出し、その平均から95%信頼区間を求める、という作業を100回行うと、95回はその区間の中に母平均が含まれる」という意味で、95%の確率で正しいという意味ではない。有意水準95%で両側検定を行っていることがわかる。「95%信頼区間の上限」は上限検定、下限検定の上限のことだろうか。また信頼上限死亡率の算出方法が不明である。ただ、粗死亡率の95%信頼区間の上限」が「粗死亡率の130%」を上回る場合は第21回生命表に置き換えている、という作業自体は理解できた。

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